“龍王”はタイムでも強さを証明 スプリンターズSの勝ち時計ベスト3
中山競馬場で9月29日(日)に行われるスプリンターズステークス(3歳上・GI・芝1200m)。1967年に創設され、当時は3歳以上馬が出走できる唯一の短距離重賞だった。その後、84年のグレード制導入に合わせてGIIIに格付けされ、87年にGIIへと昇格。90年からはGIとなり、名実ともに日本のスプリント王者決定戦となっている。本稿では同レースの開催にあたり、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する。 【写真】世界の壁を突破した“龍王”ロードカナロアのこれまでの軌跡 ■1位 1分6秒7 2012年 ロードカナロア 前年秋の京阪杯で重賞初制覇を飾ると、続く年明けのシルクロードSも快勝。だが、その後は高松宮記念3着、函館スプリントSとセントウルSが2着で、あと一歩の競馬が続いていた。レースは中団に構えると、直線で素晴らしい伸び脚を披露。同厩舎の先輩GI馬カレンチャンとの叩きあいを制し、最後は3/4馬身差の完勝でGIタイトルを獲得した。この勝利をきっかけに香港スプリント連覇など、国内外の短距離路線を席巻。歴史的な名馬へと昇華していった。 ■2位 1分7秒0 2001年 トロットスター それまで重賞で2着4回とタイトルにはいま一歩足らなかったが、00年秋のオーロCからCBC賞、シルクロードS、高松宮記念と4連勝。一気に短距離路線の主役へと躍り出る。安田記念は距離もあって14着と崩れたが、スプリンターズSに4番人気で出走すると、直線は内ラチ沿いを強襲。最後はクビ差の接戦を物にし、春秋スプリントGI制覇の偉業を達成した。以上の成績が評価され、同年のJRA賞最優秀短距離馬にも選出されている。 ■3位 1分7秒1 2021年 ピクシーナイト 2019年 タワーオブロンドン 1994年 サクラバクシンオー 3位は3頭が並んでいる。ピクシーナイトは3歳馬として14年ぶりのスプリンターズS制覇であり、曾祖父グラスワンダーから続く父仔4代GI勝ちの快挙。タワーオブロンドンはセントウルSを勝ち、優先出走権を手にすると、本番はダノンスマッシュら同じ4歳世代の強豪を打ち破ってGIタイトル獲得だった。サクラバクシンオーは前年も2馬身半差の完勝で、94年はさらに着差を広げる4馬身差の圧勝。90年代の短距離路線では、無類の強さと存在感を示した。 今年のスプリンターズSには連覇を狙うママコチャ、高松宮記念覇者マッドクールをはじめ、重賞連勝中のサトノレーヴ、悲願のGI制覇がかかるナムラクレアなど豪華メンバーが集結。加えて香港からビクターザウィナー、ムゲンの2頭が参戦して、激戦が予想される。秋のGI戦線はどのような開幕を迎えるのか。発走予定日時は29日(日)の15時40分だ。