「フィリピンで得た学びを今後に役立てる」関メディベースボール学院総監督・井戸伸年氏
~「コミュ障(コミュニケーションが苦手)なんです」では野球は上手くならない
「例えば相手投手が良かった時、チーム一丸で攻略しようと思ったら情報の共有が不可欠。コミュニケーション能力が低い選手は戦力になりにくい。野球をする上で、『コミュ障なんです』では済まされない」 選手、コーチ陣を含めたチーム内でのコミュニケーションを重視する。指導方針は関メディでも日本代表でも変わらない。 「僕自身も選手時代は独りよがり、自分がプロに行きたいだけだった。周囲が見えてなくコミュニケーション能力も低かったと思います。今考えると、自分自身で上達できる道から外れていたような気がします」 今はSNS等のツールを通じて多くのことを済ませられる時代だ。しかし、野球をプレーする際には直接対話は欠かせないものだ。 「関メディでも常に感じる部分なので、しっかり話しています。同様のことを日本代表でも感じました。経験の浅い子供だからという部分もありますが、そういう理由(=言い訳)ばかり考えていたら上達しないし勝てないです」 ポニー(U-14)日本代表はAPCTにおいて決勝進出を果たした。しかし、台湾が誇る剛腕投手の前に三振の山を喫し、「0-1」で敗れた。 「良い投手でしたが点を取らないと勝てません。そのためにはチームが1つになって攻略方法を見つけないといけない。ベンチからの指示も大事ですが、選手間でも感じたことを共有しないといけません」 「例えば、狙い球を絞る時にも選手間でどのように伝達するのか。『高めに手を出すな』なのか、『低めを狙っていこう』なのか。状況に応じた伝え方1つで受け取り方も変わる。そこは普段からの積み重ね、経験が大事だと思います」
~「パフォーマンス向上のために何が必要か?」にコミットする
フィリピン滞在で環境へのアジャストとタフに生活することの重要性を感じた。それがなければ最高のパフォーマンスを発揮し続けることはできない。 「『日本は良い国だな』と思いました。どこへ遠征に行っても食べられる物があって苦労することはない。日本で感じる当たり前は実は当たり前ではないということです」 「例えば、食べ物や水が合わなくてもベストパフォーマンスを発揮する必要がある。体調維持しなければならないので、『この食べ物はダメ』ではなく食べられる物を探し出すことが大事」 「目的を『食の好き嫌い』ではなく『自分のパフォーマンス』にする必要がある。最初から『この食べ物はダメ』と食べないようでは話にならない。野球のための体調管理という部分にコミットするのが重要」 今大会、関メディからは日本代表に3選手が選出されていた。「自分自身もそうだけど、彼らには経験を持ち帰ってチーム内で共有して欲しい」と付け加えた。