東北で被災した方々の経験は宝であるべき――福島を支援してきたCANDLE JUNEが見た能登半島地震 #知り続ける
これまでの自然災害による経験が、他の地域では生かされていないことが多いとJUNEは指摘する。それを共有し、学んでいくべきだと語る。 「被災地域の人たちって、悪いことしているわけではないじゃないですか。なのに、住民のお年寄りたちが頭を延々と下げて、『ありがとうございます』とか感謝されると、『頭下げないでくださいよ』と思うんです。自分からしたら、『みなさんの経験を学ばせてもらえるから、こっちがありがとうなんだけどな』って思っているんです。何か起きたときに、誰かのせいにして終わりにしても解決にならないので、『じゃあ、どうする?』って解決できたほうが、自分の満足にもつながる。でも、それはひとりではできないと嫌っていうほど痛感してきているので、かつての被災体験者の仲間たちにも改めて感謝ができる。ひいては、それによって柔軟な助け合いのライフスタイルを取り戻して、『おたがいさま』と言えるようになるんじゃないかなって思っています」
CANDLE JUNE(キャンドル・ジュン) 1974年生まれ。1994年からキャンドル制作を開始し、その後、「FUJI ROCK FESTIVAL」などの空間演出を手掛けていく。2001年に原爆の残り火である「平和の火」を広島でともしてからは世界各地の悲しみの場所をともす旅「Candle Odyssey」をスタート。2004年の新潟県中越地震発生後、被災地支援を開始。2010年のハイチ地震を受けて「LOVE FOR HAITI」を立ち上げ、2011年の東日本大震災を機に「LOVE FOR NIPPON」の活動を主宰する。以降、福島県を中心に支援活動を続けている。 (取材・文:宗像明将)