ドライバーの負担軽減を実現する「中継輸送」には3つのパターンがある! 思ったほど簡単じゃない実現に向けての「メリデメ」を考えた
とくに注目を集めているのはトレーラー・荷台入替方式
2024年問題をきっかけに、物流業界では「中継輸送」が話題になっている。2024年問題とは、トラックドライバーの労働時間に上限規制がかかって輸送能力が不足し、物流の滞る懸念が発生する事象だ。近年では、ただでさえトラックドライバー不足は深刻化してきている。その理由は、労働環境が悪化していることにあり、主な原因は ・長距離輸送における長時間拘束 ・荷物の積み下ろしなど、付帯業務の常態化 ・とくに着荷時の待機時間が長い などといったことだ。結果的に、労働時間当たりの賃金が低い・女性就業率が低い・ドライバーの高齢化などの問題と相まって、なかなか好転しない状況に陥っている。そこで、少しでも労働環境を改善するために導入され始めたのが「中継輸送」だ。 【画像】リバティウォークのR34GT-Rや土屋圭市さんのAE86マメ号など「IMX2024」のその他の画像を見る(98枚) これは、ひとつのルート(通常であれば、1台のトラックが日を跨いで運ぶような長距離輸送)をひとりのドライバーで輸送するのではなく、複数人のドライバーが分担して輸送するという方法だ。集荷エリアと納品エリアの中間地点に中継拠点を置き、ここでトラックやドライバーを交代させるなどして輸送を分担するのである。その方法は大別すると3種類で、それぞれの主なメリット・デメリットは以下のとおりだ。
・荷物積み替え方式
中継地点で引き継ぐトラックに荷物を積み替える方式。 メリット:従来のクロスドック(開梱や検品作業を行わず、仕入れた商品をそのまま別のトラックに積み替える配送方式)をベースに導入が可能で、新たな設備や投資がほとんど必要ない。 デメリット:荷物の積み替え要員が必要になる上、積み替え時間が長時間になる。
・ドライバー交代方式
中継地点でトラックのドライバーが交代する方式。 メリット:中継地点における新たな作業が発生しない。従来の車両がそのまま使用できる。 デメリット:複数の事業者で行う場合、自車の管理(とくに車両の回送・回収)や保険などのルール化が必要。ドライバーが慣れない車両を運転せねばならないためにストレスになる(長距離トラックのドライバーは、担当トラックを自分の部屋のように独自化して強い愛着をもつ人が多い)。