上野千鶴子さん【二拠点生活】大切な人を看取って今思う、終の棲家とは
大切な人を看取り、改めて考える「終の棲家」
色川さんが山の家で息を引き取ったのは2021年秋のことでした。「ベッドから季節とともに移り変わっていく景色を眺めながら亡くなっていきました。みなさん、お幸せだったんじゃないかとおっしゃいます」 大切な人を在宅で見送った今、ご自身も山の家を終の住処にしたいと考えているのでしょうか? 「まだ迷いがあります。やはり都会は便利だなと思いつつ、寝たきりになったとき春夏秋冬の自然が目に入るのは何にも代えがたい幸せだなと思ったり……。 車がないとここでは暮らせませんが、動けなくなればどこも同じ。おひとりさまの在宅死の事例をこの地で見てきましたので、私にもできるかなと思っています」 ■二拠点生活のリアルを綴る『八ヶ岳南麓から』 50代で山梨県八ヶ岳に土地を買い、家を建てて以来、東京との二拠点生活を送ってきた上野さんによる、初の山暮らしエッセー集(山と溪谷社刊/1760円) 取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)、撮影=キッチンミノル ※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年5月号を再編集しています。
HALMEK up編集部