久保建英、スペイン東部の洪水被害に思い馳せる「日本も同じような悲劇に苦しみました。失われた命にお悔やみ申し上げます」
3日のラ・リーガ第12節、レアル・ソシエダは敵地サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦に2-0で勝利した。チームの先制点を決めたMF久保建英は試合後インタビューで、スペイン東部を襲った大雨・洪水に苦しむ人々に思いを馳せている。 【動画】久保建英がセビージャ戦でゴラッソ! バレンシア自治州を中心としたスペイン東部で、10月29日から30日にかけて記録的豪雨による大規模な洪水が発生。11月3日までに200人以上の死亡が確認され、行方不明者の捜索を求めるリストには2000人以上が名を連ねている。 「スペイン史上最大規模」とされる天災の影響で、バレンシア自治州で行われるはずだったバレンシア対レアル・マドリー、ビジャレアル対ラージョは中止となったが、ラ・リーガ1部の残り8試合は予定通り開催。このソシエダ対セビージャも、ほかの試合と同様に黙祷の後にキックオフを迎えた。 久保はそんな試合で大きな活躍を見せた。右サイドから何度もセビージャの守備を切り崩し、34分にチームの先制点を記録。DFペドロサを一瞬のスピードで抜き去りペナルティーエリア内に侵入すると、流れるような動作から左足でシュート。ボールはGKアルバロ・フェルナンデスが反応できないほどのスピードで、勢いよく枠内に飛び込んでいる。ソシエダは後半にPKからFWミケル・オヤルサバルがゴールを決め、ラ・リーガ2試合ぶりの勝利を飾った。 試合後、スペイン『モビスタール・プルス』とのインタビューに応じた久保は、まずスペイン東部の悲劇について言及。マジョルカ時代の恩師で、バレンシア自治州の中でも大きな被害に遭ったマサナサ出身のビセンテ・モレノ現オサスナ監督が、前日の記者会見中に泣き崩れたことに触れつつ、今回の大災害に苦しむ人々を慮った。 「個人的な話をさせてもらえば、何よりもビセンテ・モレノのことを思い、心配しています。彼は僕の監督……、とても素晴らしい監督でした。自分がラ・リーガ1部に定着するためのすべてを与えてくれた人です。そんな彼の生まれた地域が今、とても辛い状況にあります。彼の記者会見を見て本当に胸が痛みました」 「日本も数年前に似たような出来事に苦しみました。バレンシアなどの辛い目に遭っている地域、失われた命に、お悔やみを申し上げます」 「この試合は難しかったです。黙祷もした困難な試合で、結局プレーしなくてはなりませんでしたが、両チームとも難しい中で僕たちの方ができる限りの良いプレーを見せました」 先にラ・リーガのMOMに選ばれた際には「セルヒオ・ゴメスが選ばれた方がよかった」と話した久保。この試合のMOM選出には、納得しているようだ。 「今日は本当にそうだったかもしれません」 「自己採点は? (10点満点中)8点は確実かと。良い感じでしょう。10点とまではいかなくても、8点はいくんじゃないですか。この前は負けたチームをゴールで勝利に導いたわけですし、それに無失点で勝てたので言うことなしです」 前節オサスナ戦では先発から外れた久保。今回結果を収めたことで、イマノル・アルグアシル監督にもう二度とレギュラーの座を外されたくないかを問われると、こう返答した。 「選手はレギュラーの座というものを、しっかりつかまなければいけません。次節も、僕は生き残っていると思いますよ(笑)」 この返答に『モビスタール・プルス』の出演者は「彼は最高だ」と語り、またインタビューをした女性リポーターも「いつも話をするのが本当に楽しいです」と感想を述べていた。