14歳で妊娠、15歳で出産。「一緒に育てたい」と言った彼は音信不通に「何度も求められて。避妊具を買うお金もなかった」当時を振り返って思うことは
妊娠したかもと不安になった中3の頃、求めていた情報が見つからなかった
14歳、中学3年生の時に妊娠し、1人で産む決断をしたシングルマザーの横井桃花さん。若年出産の経験や母子の日常をありのままに隠さず、メディアやSNSで発信し続けています。ご自身の経験とともに、性教育の必要性も訴え続けている横井さんに、子どもたちにどのように性教育を教えたらいいのか、お話を伺いました。 【画像6枚】当時の彼と撮った写真や成人式の写真、妊娠中の写真など ――小さい頃からの性教育は大事だと、今、こうしてメディアでご自身のリアルな経験を話そうと思ったきっかけは? 横井桃花さん(以下、横井さん):妊娠が分かったばかりの中学3年生の頃、スマホでいくら調べても、若くして妊娠・出産をしている似た境遇の人や経験をした人の情報が全く出てこなくて、「どうしたらいいんだろう?」と不安になりました。 自分はこの後、どういう選択をするのが正解なんだろうかと。参考にしたい情報に全くたどり着けなくて、ひとり不安に陥りました。だから、その時の私と同じような悩みを抱える人の力になりたいと思って。私と同じような経験をしている人は潜在的にもっといるのかもしれないけれど、世間の目も厳しいし、まだまだ理解してもらえない状況があって、皆が皆、表に出られるわけでもないので。 私には、自分の経験を通して伝えていけることがたくさんあるんじゃないかと思ったのがきっかけです。 ――世間の厳しい目や偏見などもある中で、メディアに出ることによって、さまざまな意見が集まることを予想していましたか? 横井さん:そうですね、厳しい意見や中傷などが集まることも想定しました。けれど、それでは進まないな、変わらないな、って。しんどさを感じたり、悩んでいたりする人たちが生きやすい環境になればとの思いで決心しました。ここは自分の頑張りどころなんじゃないかな、と。
当時の性教育は教科書読んだ程度。妊娠してから初めて知る知識もあった
――スマホでいろいろな情報を探したということですが、当時は親御さんなど近しい人に妊娠の話を相談することが難しかったのですね。では、妊娠が分かった頃、学校や家庭で性教育はどのようなことを教わっていましたか?横井さんには当時どの程度の性の知識があったのでしょうか? 横井さん:小、中学校で性教育は受けましたが、教科書にあることをただ読んだだけ、あまり詳しく教わらなかった記憶があります。女子と男子は別室で、女子のほうはそんな程度です。 男子のほうは、先生と生徒が一緒になってふざけてるような印象を覚えています。男子が廊下の端で性の話題でふざけているところに、先生も大きい声で「そういう時は避妊しろよ。ゴムつけろよ」というようなことを言っていて。生徒側は、大人が「ゴム付けたらいい」と言ったのだと受け取りますよね。避妊したとしても、性行為の延長線上に妊娠する可能性があることも伝えてないし、行為そのものを軽視してるように感じられる発言だと思います。これについては、今後もっと性教育がこれでいいのか、変化してほしいところです。 母からは、直接はっきりと性教育をされたわけではないですが、性にまつわる会話がないわけでもなく…とはいっても親子なので、真正面から詳しくは話しませんでした。ネットや友達同士の会話で、ぼんやりと知ってはいました。避妊の必要性も。コンドームなどで避妊をしたとしても、妊娠する可能性があることも一応知ってはいましたね。 ――妊娠後、初めて知った性の知識はありますか? 横井さん:中絶は、女性のみが抱える負担ということを改めて実感しました。出産も、母子ともに危険な状態になることもあると。妊娠して初めて、調べて知りました。 あとは、里子のことも。出産費用、その後育てていくこと、里子に出すとはどういう流れなのか、自分で育てるにはどれくらいお金がかかるのか、っていうことも、出産を自分事に考えて初めて知ったことばかりでした。 とはいえ、出産やその後の養育などにかかる費用がどのくらいか金額はわかっても、実際には、中学生の私には、その金額の感覚があんまりピンときてなかったはず。中絶の料金が数十万、という金額の大きさにも衝撃を受けたのも覚えています。