慶應ボーイの学生監督が率いる慶應志木 来る夏は「現役の時よりも緊張するかもしれません」
そして新チームからは正式に監督としてチームに携わることが決まり、学生監督が誕生した。 だが、普段はグラウンドから電車で1時間半離れた日吉キャンパスで学生活を送る大学生。キャンパスライフにも、多少なりとも影響が出てしまうのが現実だ。 「必修の授業は動かすことが出来ないので、それには必ず出席しています。そうすると、グラウンドに戻ってくるのが18時過ぎで指導が出来ないので、他の方にお願いをしています。 それ以外は何とか早い時間帯に講義を受けるように、時間割を組むようにしています。いくら自分が指示を出しても、『(練習)どうなっているんだろう』と心配になるので。授業中や移動中も、練習メニューとか選手の起用方法を考えてしまうことがあって、勉強が少し疎かになることもあります」
監督ではなく、良き先輩として
普通の大学生だったら勉強、サークル、アルバイト。長期休みになれば、友人と出かけることもあるだろう。その時間のほとんどを母校の後輩たち、そして恩師のために使っている石塚監督。実際に、新チームが発足したばかりのタイミングで、現役時代のチームメイトから旅行の誘いがあったという。しかし、「大会があるからごめん!」と断った。 「たしかにその時は行きたかったですけど、『本当は来てほしいけど、しょうがないよね』ということで仲間たちも理解してくれて。後日、お土産を買ってきてくれて、『今度は一緒に行こうぜ』と言ってくれたんですよね。 だから、学生監督をやっていて辛いという感覚は正直ないです。嫌な感じはなく、ポジティブな気持ちでやれているから、続けられていると思います」(石塚監督) そう話す石塚監督だが、指揮官としては最初から上手くチームを牽引できたわけではない。 当初は恩師である柴田前監督に習って、監督として選手たちには厳しい指導をしていた。あまり選手をほめず、試合でも黙々とサインを出していたという。永島主将も「(いまと比べたら)厳しいことが多かった」と振り返る就任当初の石塚監督の指導だが、秋の大会では地区予選の代表決定戦で敗戦。結果を残すことはできなかった。