6チームの総当たり戦で総試合数は15?30? 東大生が解説、実生活で便利な高校数学「順列・組み合わせ」理解のコツ
その当時、僕が思ったのは、 「1試合だけ減らしてしまったら、各チームとの対戦数にばらつきが生じてしまうのではないか」 ということです。例えば、6つのチームと1チームあたり3試合を行う場合、合計の試合数は18試合。つまり、プロ野球の合計試合数は対戦チーム数の「倍数」になるはずではないかと考えたのです。しかし、かつての144試合でも、今の143試合でも「それぞれのチームと同じ試合数行う」という条件は達成しています。
実際の答えは次のようなものでした。 まず大前提として、6チームのリーグであれば、1つのチームが対戦するチーム数は「6」ではなく「5」になります。自分のチームと対戦することはないので、6から1を引いた5チームと対戦することになります。 しかし、交流戦の場合はカウント方法が変わります。交流戦は、自分が所属していないリーグのチームと対戦するため、チーム数はそのまま「6」となります。よって、総試合数は以下の式で表すことができるのです。
総試合数= 5×(セ・リーグのチームとの対戦数)+6×(交流戦でのパ・リーグのチームとの対戦数) このように、2つのかけ算の合計で試合数が決定します。 例えばセ・リーグに所属している中日ドラゴンズが、同じセ・リーグに所属する他の5つの球団とそれぞれ24試合ずつ行い、交流戦でパ・リーグに所属する6つの球団とそれぞれ4試合ずつ行うと、 総試合数=5×24+6×4=120+24=144 となり、2014年までの年間試合数であった「144試合」が導き出されます。
■なぜ143試合にできた? ではなぜ、2015年以降は143試合にできたのか。 実は、4試合ずつ行っていたパ・リーグのチームの対戦数を3試合に減らす一方で、セ・リーグの各チームの対戦数を24試合から25試合に増やしたのです。 総試合数=5×25+6×3=125+18=143 このように、身近にあるスポーツなどの試合にも数学的な面白さが隠れています。
永田 耕作 :現役東大生・ドラゴン桜チャンネル塾長