「紹介してくれたら150万円」老人ホームが入居してほしい高齢者とは 過剰な訪問看護で得た診療報酬が原資に…医療費が流出している?
老人ホーム運営会社などでつくる「高齢者住まい事業者団体連合会」の担当者も、紹介料の高騰を問題視する。 同連合会は、自主的に紹介事業者の届け出公表制度を運営している。担当者は「老人ホームの紹介料は、家賃や食費など入居者が自己負担する居住費用の部分に伴うものだ」と説明。「医療保険で受け取れる報酬額や要介護度に応じて紹介料を設定するのは、社会保障費を充てることになるので不適切だ」と話した。 厚労省は共同通信の報道を受け、同連合会を構成する業界3団体に11月8日、通知を発出。「社会保障費の不適切な費消を助長するような紹介料が設定されることがないよう」、連合会が定めている紹介事業者の行動指針を年内に見直すことを求めた。 「医療の必要度や要介護度に応じて紹介料を設定してはならない」との考え方も示し、紹介会社に対し指針の順守を徹底するよう要請した。連合会は通知に沿って年内に対応する考えだ。 ▽取材後記
入居者の紹介料が100万円や150万円というケースはごく一部だろう。全体的にそうした状況になっているわけではない。多くの紹介会社は適正に運営していると思いたい。ただ、老人ホームにしろ紹介会社にしろ、競争があるので「他社がこうしているのだから、うちも」ということはあるだろう。 ある看護師はこう言った。「正直者がバカを見るのではなく、まっとうに利用者や社会に貢献しているところが利益を得られるような仕組みになることを願います」。全く同感だ。