NTTによるラピダス出資の狙い
光電融合デバイスとは?
NTTはこの光電融合デバイスの設計・開発・製造・販売を行うため、NTTイノベーティブデバイスを設立した。それまでNTT研究所で進めてきた光電融合デバイスの開発に関わる機能を23年6月にスピンオフし、同年8月には光電子部品の開発・製造ノウハウを持つNTTエレクトロニクスと統合。新会社設立により、光電融合デバイスの開発を加速させる。 AI時代には光電融合デバイスの低消費電力技術が不可欠 光電融合デバイスの利用領域は通信分野にとどまらない。最も注目される応用領域がAI(人工知能)だ。AIの普及拡大とともに、演算処理を行うAIサーバーの発熱やデータセンターの膨大な電力使用などの問題が顕在化している。AIサーバーの演算処理は電気信号で行っているが将来、光電融合デバイスによるオールフォトニクス・ネットワークが実現すれば、発熱の問題を解決し、演算処理速度の低下も解消される。圧倒的な低消費電力によりデータセンターの消費電力低減にも寄与する。光電融合デバイスによりクリーンなデータセンターが増え、カーボンニュートラルの実現にもつながる。 ラピダスへの出資により、光電融合デバイスの製造を実現 光電融合デバイスの製造はNTTイノベーティブデバイスが担う予定ではあるが、高性能の光電融合デバイスを生み出すために、先端デバイスの製造技術は不可欠。その布石として、NTTはラピダスへの出資を行っている。 AI時代を支える社会インフラでもあるデータセンターの電力問題を解決し、大容量データの高速伝送を実現する光電融合デバイス。クリーンで快適な未来社会を実現する技術として、半導体は無限の可能性を秘めている。
電波新聞社 報道本部