アカデミー賞のドレスで再注目の「ロダルテ」 デザイナー姉妹が「正当に評価されていない」と感じる理由
最近では、映画祭などのレッドカーペットでその名を広めている。今年に入ってからは、1月に行われた第35回パームスプリングス国際映画祭で、第81回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(ドラマ部門)を受賞したリリー・グラッドストーン(Lily Gladstone)にドレスを提供。その後の第96回アカデミー賞では、最多受賞となった「オッペンハイマー(Oppenheimer)」のプロデューサー、エマ・トーマス(Emma Thomas)や映画監督マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)の娘で俳優兼監督であるフランチェスカ・スコセッシ(Francesca Scorsese)ら、過去最多12人のドレスをデザイン。制作には、8人のチームで数カ月におよぶ集中的な作業を要した。
その間には、「ロダルテ」の24-25年秋冬コレクションのルックブックとポートレートシリーズにも取り掛かっていたため、多忙を極めたという。ローラは、「すごく疲れたわ。12ルックはそれぞれ4~5回ものフィッティングが必要だった」と、俳優らのスケジュールに合わせながらドレスを制作したことを明かした。
トーマスには、シースルーの袖に、フロントをクロスさせた黒のドレスを提供。長年映画業界に携わり、今回「ロダルテ」にドレスを依頼したスタイリストのクリスティーナ・エールリッヒ(Cristina Ehrlich)は、「ケイトとローラには、レッドカーペットという晴れの舞台で詩的に語りかけるような、ユニークで時代を超越したスーパーフェミニンなドレスを生み出す目と知性がある」と高く評価した。
ケイトは、トーマスにドレスを着せたことは意義深いことだったと振り返る。「男性中心で女性の活躍が容易ではない映画業界で、多くのことを成し遂げてきた彼女に、とてもインスパイアされた。多くの扉を開いてきた彼女の活躍の重みを感じたし、彼女が10年後を振り返って、まだこのドレスを好きでいてくれることを願っている」。