「スタートアップはセクハラが常態化」女性起業家が改善訴える。投資家から自宅に呼び出しも
女性起業家たちがスタートアップ業界内で受けたセクシュアルハラスメントを告発する、「スタートアップ版 #metoo 」ともいえるムーブメントが起きている。 【全画像をみる】「スタートアップはセクハラが常態化」女性起業家が改善訴える。投資家から自宅に呼び出しも 大学生時代に起業した筆者(江連(えづれ)千佳)にも、誰にも話せなかったつらい過去がある。スタートアップ業界でセクハラが常態化していることは、疑いようもない事実だ。
20歳で起業、セクハラやマンスプも
「スタートアップ版 #metoo 」の大きなきっかけは、NHKによる実名での被害告発だった。この報道を皮切りに、SNS上で多くの起業家たちが自身の経験や意見を語り始めたのだ。 スタートアップ業界でのセクシュアルハラスメントに対して怒りと連帯の意を表明する人や、被害に遭わないために自ら工夫を重ねてきた経験を共有する人、自身の被害経験を語る人もいれば、この現状を変えるために積極的なアクションを起こそうとしている人もいた。 さまざまな形で、今まで語られてこなかった、起業家らの経験が表面化したのである。 最近では、独立系ベンチャーキャピタルとして日本最大手のジャフコグループ社内で発生した性被害も報道され、スタートアップにおける性被害の問題が大きな注目を浴びている。 参考記事:ジャフコ“首絞め”セクハラ告発。弁護士が会見「業界の体質に問題」と指摘 筆者自身、大学生になってからスタートアップ業界でインターンとして経験を積み、20歳で起業した女性起業家だ。思い返してみると、起業準備中や起業した直後の最も情報の非対称性がある時期は、特に「怖い」という感覚が大きかった。 起業や経営に関する情報を十分に持っていないことを逆手にとって、見返りを求めるセクハラが存在するからだ。ビジネスの相談や会食に行くにしても、業界に長くいれば、ネットワークを辿ってある程度相手の人物像を知ることができるが、起業初期はそうもいかない。 そもそも起業家もスタートアップ業界も、男性のほうが圧倒的に数が多い。「黄金の3割(クリティカル・マス)」と言い、組織を変えるためにはマイノリティが30%以上いる必要があるとされるが、業界の集まりに行くと、3割を超えるほど女性がいることは稀で、居心地の悪さを感じることもしばしばあった。 ひどい時には、セクハラに該当する言葉をかけられたり、上から目線でものを説明(マンスプレイニング)されたりした。