KEIRINグランプリ出場は6度目の常連 冬場のバンクを得意とする周防の“超豪脚”清水裕友
今年の顔であり、2025年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2024」が30日、静岡競輪で開催となる。今回は今年6度目の出場となる清水裕友を紹介する。(構成:netkeirin編集部)
猪突猛進! グランプリ常連の周防が生んだ若武者
これまでKEIRINグランプリに5回出場している常連・清水裕友。30歳となった今年が6回目の挑戦となる。過去5回の戦績は初出場の2018年から4着・5着・6着・8着・9着と降下線を描いており、未だ確定板は捉えていない。しかし、2020年の平塚開催は6着ながらも、最終4角で平原康多のブロックを受けるまでは完全に優勝争いの主役になっており、紙一重の勝負を演じ切った。 また過去5回のうち4回が「中国ゴールデンコンビ」と称される松浦悠士との連係だが、今年のグランプリは松浦不在。これがどのように影響してくるのかは想像の域を超えないが、どんなレースでも持ち味を活かして勝利へ突き進む清水のこと、チャンスがあればモノにし、チャンスがなくてもこじ開けていくような走りを見せてくれるに違いない。昨年覇者の松浦に続き、中国地区連覇の期待がかかっている。 netkeirinで連載中コラムのタイトルにもなっている“猪突猛進”。仕掛けどころを見つけるや否や豪脚を発揮して一心不乱に頂点を目指すレーススタイルはその言葉の意味通り。地元防府記念では今年こそ記録が途絶えてしまったが、脅威の6連覇を達成しており、地元ファンの声援はきわめて熱狂的。編集部に清水への応援の声も届くが、“ひとことメッセージ”ではなく熱が込められているものばかりだ。周防の若武者の“いよいよ”を期待する思いがそこかしこに充満している。
無双状態の前半戦、試練多き後半戦
清水裕友のグランプリへの道を辿れば前半戦にポイントがある。昨年グランプリは9着の悔しい結果になってしまったが、年明けすぐの大宮記念から無双状態に。大宮記念決勝では埼玉5車を捲り切り、静岡記念では郡司浩平と深谷知広の超強力ラインの番手捲りを乗り越えた。 またGI全日本選抜でも北井佑季と郡司浩平の強力ラインにあと一歩まで迫る準Vの結果を出し存在感を示したかと思えば、その後のウィナーズカップでも決勝3着の確定板。ダービーも決勝に乗り込み6着、準決勝では見るものに衝撃を与える強烈な捲りを披露。前半戦の安定感は抜群で、賞金でのグランプリ出場をほぼ確実なものにしていった。 しかし、毎年夏場に苦戦する傾向のある清水、今年の夏も苦しめられた。サマーナイトフェスティバルでは3日間確定板なし、オールスターでは失格を喫した。後半戦は落車による怪我にも見舞われ、乱れたリズムを取り戻せぬままビッグレースでの決勝からは遠ざかっている。また前人未到の7連覇をかけた地元の防府記念は決勝に勝ち進むも、松本貴治の一撃に屈し、連覇は途絶えた。 前半戦と後半戦の明暗はくっきりと分かれており、グランプリ本番を心配する人もいることだろう。ただし、グランプリ当日は真冬である。冬場を苦にせず、むしろ「重いバンクが好き」と話す清水にとって絶好の舞台になるはず。前述したとおり、2月の静岡で深谷の番手捲りを撃破した地でもある。常連の風格とともに躍動する姿は想像に易い。