大阪の町工場がGOTS認証取得 日本製GOTS製品の生産が可能に
「日本の伝統と品質だけでは難しいと感じていた」
三恵メリヤスはヴィンテージ調の風合いを再現することを得意とし、スウェットやTシャツといったカットソーの企画・縫製を行う。昔ながらの作り方を再現できる強みから、海外ブランドとの取引が増えている。三木健専務取締役はGOTS CSCS参加の決め手について、「本格的に海外に出るための武器になると考えた。海外輸出が徐々に増えており、日本の古き良きモノ作りの発信はできていたが、それだけでは難しいとも感じていた」と語る。そんなとき、取引先の英国ブランドのデザイナーからの言葉が後押しした。「こだわりがとても強くその理由を聞いたときのこと。『小さいブランドこそやりたいことや必要なことを全力で行わないと戦えない。無名ブランドは最低条件(認証など)をクリアしていないと話も聞いてもらえない』と明かしてくれた。そのブランドからの発注は5年で40倍に増えており、こだわり抜いたモノ作りの姿勢がビジネスの成長を支えていた」と振り返る。さらに「整理整頓、情報整理、社内の意識改革、書類作成能力など審査を通じて世界に通じる工場にしたいとも考えた」。
取得に向けたチームメンバーへの共有
まず、チームメンバーに取得に向けて動き出すことを伝えた。「GOTS認証とは何か?取得することで三恵に何をもたらすかなどを丁寧に伝え、認証取得に重要な整理整頓や分別管理の協力を求めた。価値共有のために活用したのはビジネス本だ。『マンガでわかる!トヨタ式仕事カイゼン術』『マンガで優しくわかる5S』『まんがで身につくPDCA』『トヨタ流「5S」最強のルール』『A4一枚で成果を出す!マンガでわかる経営計画の作り方、進め方』を購入して、チームメンバーみんなで回し読み、読書後に感想を記載してもらった。ただ、PDCAなどは難しくて自社には活かせないなど、チームメンバーからの反応はテーマによって濃淡があった。その後、整理整頓を徹底することから始め、すでに管理されていた帳簿は、よりよい記録の取り方を検討した」。