「温泉の玄関」修善寺駅、東京から特急踊り子1本の利便性 今年8月で開業100年、伊豆箱根鉄道駿豆線の終着駅
長距離の鉄道旅の主役が新幹線となった現在でも、東京駅を始発駅として最大14両の長編成で伊豆半島方面へ東海道線を走る「踊り子」は在来線特急の代表格と言える。 【写真18枚を見る】東京駅から特急「踊り子」が直通する伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅。いったいどんな場所なのか?かつての駅前の様子がわかる貴重な白黒写真も 少し前まで国鉄時代の特急形電車185系がモーター音をうならせていた踊り子の車両は2021年3月のダイヤ改正以降、すべてE257系に置き換えられた。中央線「あずさ」「かいじ」や房総方面などで活躍した特急車両をリニューアルした車両だ。 ■修善寺駅は開業100年
東京駅で見ることができる踊り子の行き先は「伊豆急下田」と「修善寺」の2通り。その1つ、西武グループの伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅は2024年が開業100年の節目の年にあたる。 東京―修善寺間の踊り子は毎日2往復運行されている。下り列車の場合、東京駅9時発の1号と12時発の9号が途中の熱海まで、伊豆急下田行きの「伊東編成」9両と修善寺行きの「修善寺編成」5両を連結した14両編成で走る。土休日などは3往復が運転される。
【写真】東京駅から特急「踊り子」が直通する伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅。いったいどんな場所なのか? かつての駅前の様子がわかる貴重な白黒写真も(18枚) 修善寺編成は熱海で伊東編成と分割されると、そのまま東海道線を西へ進み丹那トンネルを抜けて三島へ。同駅から伊豆箱根鉄道の駿豆線に入る。踊り子は三島田町、大場、伊豆長岡、大仁(おおひと)を経て終点の修善寺に到着する。修善寺まで東京から乗り通しても約2時間ちょっとの乗車で気軽に出かけられる目的地だ。
一方、伊東編成は東海道線から分かれる伊東線へ入り、JR東日本で最南端の駅、伊東へ。同駅から東急グループの伊豆急行線に入り、伊豆高原、伊豆熱川、伊豆稲取、河津を経て伊豆急下田を終着とする。東京―伊豆急下田には「サフィール踊り子」も走っている。 ■地元の足「いずっぱこ」 営業キロ19.8kmの駿豆線は地元では「いずっぱこ」と呼ばれている。のんびりしたローカル線のイメージだが、普通電車は三島発が7時台は5本、それ以外の時間帯でも1時間に3、4本が運行していて利便性は高い。