命懸けの戦いの記録:2024年モータースポーツ大クラッシュ
モータースポーツとは切っても切り離せない関係にあるのがクラッシュだ。2024年も激しい争いの中でいくつかのクラッシュが発生した……本稿ではそのうちのいくつかをピックアップする。 【動画】2024年モータースポーツクラッシュシーン ■3月:アルボン、オーストラリアGPのFP1でマシン大破損 まずはF1から。シーズン開幕から間もない第3戦オーストラリアGPで、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが大クラッシュ。マシンは大きなダメージを受けた。 このマシンは簡単には修復できない状態だったため、ウイリアムズはチームメイトのローガン・サージェントのマシンをアルボン用にセッティングし直し、サージェントを欠場させるという非情な判断を下した。 なおサージェントのパフォーマンスは優れず、しかもクラッシュも相次いだため、シーズン終了を待たずに更迭。後任のフランコ・コラピントは、デビュー直後こそ好パフォーマンスを発揮したものの、次第にクラッシュが増えていき……シーズン最終盤のウイリアムズはパーツ不足に喘ぐ状態となった。 ■7月:マルク・マルケス、ドイツGP大ハイサイド MotoGP第9戦ドイツGPのプラクティスでグレシーニのマルク・マルケスは、戦慄の走るハイサイドクラッシュを喫した。2020年にキャリアの危機を招いた時と同じような大ハイサイドだったため心配されたが、彼は無事。決勝では弟でチームメイトのアレックス・マルケスと、同時表彰台という快挙を成し遂げた。 ■7月:インディカーで文字通り宙舞うクラッシュ インディカー第11戦アイオワではレース最終周にアレクサンダー・ロッシと接触し、スティング・レイ・ロブのマシンが空中で垂直に立ってしまうクラッシュが発生。クラッシュによって受けた衝撃は109Gにも上ると言われているが、幸い無事だった。 後続のマシンもこれを避けられず、多重クラッシュとなった。 ■8月:期待の新人アントネッリ、F1公式セッションデビューでいきなりクラッシュ メルセデスから2025年にF1デビューすることが決まっているアンドレア・キミ・アントネッリは、イタリアGPのFP1で公式セッションデビューを果たした。ただこの時、セッション開始からわずか10分ほどでクラッシュ……ほろ苦い”F1初舞台”となった。 ■9月:表彰台争うサインツJr.とペレスが衝突! F1アゼルバイジャンGP決勝で、表彰台を争っていたフェラーリのカルロス・サインツJr.とレッドブルのセルジオ・ペレスが残り2周というところで交錯……ウォールに激突し、両者リタイアと相成った。 今季不振に喘いでいたペレスは、このクラッシュさえなければ十分に表彰台を手にできるチャンスがあったが、それは叶わず。復活の糸口は掴めず、2024年限りでレッドブルのシートを失うことになってしまった。 ■10月:スーパーフォーミュラ富士、山本尚貴が空中舞う 第7戦富士では阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)にトラブルが発生しマシンが失速……後ろから迫っていた山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)はこれを避けきれず接触しまい、阪口のリヤタイヤに乗り上げるような格好で宙に浮かび上がり、そして地面に叩きつけられた。 山本は痛みを訴え、なかなかマシンから降りられなかった。前年のクラッシュで大怪我を負っただけに心配されたが、幸いにも大事には至らず。その後のレースにも無事出走した。 ■11月:あわや大惨事…MotoGP多重クラッシュ 決勝レースのスタート直後、ターン1とターン2にかけて接触によるクラッシュが発生。ジャック・ミラー(KTM)は後続のマシンに踏まれてしまったが、幸運なことに大きな怪我はなかった。 ■11月 WRCタナク、クラッシュで王座の希望消える WRC最終戦ラリージャパン最終日、タナクは逆転でタイトルを獲得する可能性を僅かに残していたが、ステージSS17終盤に痛恨のクラッシュ……チームメイトのティエリー・ヌービルにタイトルを明け渡した。 ■12月 フォーミュラE開幕! 初っ端からマシン宙を飛ぶ フォーミュラEの2024-2025シーズン開幕戦サンパウロE-Prixで、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)のマシンが上下逆さまになるクラッシュが発生。ウェーレインはマシンに閉じ込められはしたが、幸い無事だった。
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