【Q&A】国の「予算編成」とは?
Q:予算編成するのは誰?
実務面は財務省内で行われます。予算編成を担当する主計局は、総務課など6つの課と主計官、主計監査官から成り立ち、直接予算編成を担当するのは9人の「主計官」と呼ばれる人たちです。現場で指揮をとる主計官たちのもとに数人の主査と主計官補佐がおり、その下に係長、係員が配置されます。 9人の主計官を束ねるのが3人の局次長で、この3人の局次長が各省庁の予算編成に責任を持ちます。それを大局的見地から指揮するのが財務省主計局長であり、その上が財務大臣になります。
Q:短命政権が続くと編成と執行を別の政権が担うの?
予算は、(1)編成(2)執行(3)決算検査――を経て、国会での決算承認をもって終わります。1つの財政過程(PDCAサイクル)は予算作成に約1年、執行に1年、決算検査に1年半の合計3年半掛かることになります。 政権交代や内閣交代が1~2年単位で行われるようだと、予算編成した内閣は、執行はできず、また決算は2代前(あるいは他党の政権時)に編成されたものを審査・承認する、という事態も出てきてしまいます。予算のライフサイクル(PDCA)からすると「4年」は政権の座にいないと、責任ある政治を行うことができないと考えます。 ところが実際、戦後5年以上続いた内閣は第2次安倍政権を含め5つしかなく、日本の内閣はイギリスなどと比べ「短命」なのが特徴です。いつ解散があるか分からない風土が続くと、政策の一貫性を保つことが難しく、結果的に「国民に不利益が及ぶ」と言えるかもしれません。