【Q&A】「尖閣諸島」とは?
折に触れてニュースになる「尖閣諸島」。4月から8月初旬にかけて、中国公船が111日続けて尖閣諸島周辺海域での活動が確認されたことも大きく伝えられました。日本政府は尖閣諸島に関し、一貫して自国の領土であり「領土問題は存在しない」との立場です。一方、中国や台湾はこれらの島々の領有権を主張しています。そもそも尖閣諸島はどこにあり、どのような島があるのでしょうか? また、なぜ領有権をめぐる主張のずれが生じているのでしょうか? 経緯をたどってみましょう。
Q:尖閣諸島ってどこにあるの?
東シナ海の南西部、沖縄・石垣島の北方約170キロメートルに最も面積が大きい魚釣島(3.81平方キロメートル)があります。周辺には、北小島、南小島、久場島、大正島、沖ノ北岩、沖ノ南岩、飛瀬などの島々も点在しています。
Q:人は住んでいるの?
どの島も現在は無人島です。ただ、1895年に日本政府の閣議決定を経て正式に日本の領土(沖縄県に帰属)に編入した後、96年には魚釣島 への開拓も始まり、太平洋戦争前まで最大200 人以上の日本人が居住していたとされています。周辺海域が豊かな漁場だったこともあり鰹節工場なども置かれていました。アホウドリの羽毛の採取も行われていました。 この時に、食用としてヤギが持ち込まれました。これらのヤギは、人々が去ってからも島に残り、野生化しました。
Q:なぜ尖閣諸島が話題になるの?
日本だけでなく、中国と台湾も自らの領土だと主張しており、外交問題に発展する火種の1つとなっているからです。 尖閣諸島の周辺海域では日本の海上保安庁が警備や警戒に当たっています。一方、近隣海域には中国や台湾の漁船や公船の航行が確認されることが多く、特に1970年代以降は中国や台湾の活動家が尖閣諸島に上陸し、日本側に逮捕され強制送還されるケースも発生しました。
Q:もともとどの国に属していたの?
内閣官房のホームページ(HP)によると、尖閣諸島は「19世紀後半まではどの国にも属さない琉球周辺の無人島でした」としています。1885年以降、明治政府が尖閣諸島での現地調査を実施。当時の清国を含めてどの国も支配していないことを確認した上で、95年に正式に日本の領土にしたと説明しており、歴史的にも国際法上も一貫して日本の領土であるとの立場です。こうした経緯を踏まえ、政府は「尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しません」との見解を示しています。