新型フォルクスワーゲン・ティグアンは本当に良く出来たSUVだった! ドイツメーカーの本気炸裂か
フォルクスワーゲンはこんなにいいエンジンが作れるのか!
ガソリンエンジンはすばらしい出来映えだ。私はTDIモデルをドイツで試乗したが、ティグアンでは初のマイルドハイブリッドシステムをもった1.5リッターガソリンエンジンは今回が初。フォルクスワーゲンはこんなにいいエンジンが作れるのか! と、感心させられた。 発進当初だけ、モーターの力が強すぎるため、アクセルペダルの踏み込みをジェントルに行う必要があるものの、そのあとの加速感はお見事。トルクが気持ちよく出てきて、かつエンジンはよく回り、今もクルマの核はパワープラントだということがよくわかる。 こんなに気持ちよいフィーリングの1.5リッターエンジンを作れるんだから、フォルクスワーゲンの実力はたいしたものだ。大きな流れでは、全車バッテリー駆動になることをフォルクスワーゲンは否定していないが、しばらくは市場の要求に対してフレキシブルに対応していくようだ。 新型ティグアンは、乗り味も良い。ダイレクト感のあるステアリングと、軽快な動きのシャシーという、うまく調整されたハンドリングゆえ、ワインディングロードで走らせるのが楽しいのだけれど、高速では静かで意外なほど乗り心地は快適。 車内のダッシュボードにはほとんど物理的なスイッチがない。センターコンソールには、エンジンのオンオフスイッチ、オーディオのオンオフとボリューム調節をかねたダイヤル(これがいちばん大きい)、それに電気式パーキンブレーキの作動スイッチだけ。残りのほとんどは大きなモニター内で行う。広々と感じられる。 ティグアンの魅力は、走りと、それに機能性だ。室内は広い。後席空間はたっぷりあるし、荷室容量は652Lとかなり大きい。万能選手といってよい。 価格は、今回乗ったeTSI R-Lineが¥5,889,000。エントリーモデルのeTSIアクティブが¥4,871,000だ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)