メルセデスがこだわる「知覚安全性」とは? 周囲のクルマや歩行者にアピールすることが安全につながるベンツ神話を紹介します
レインランネル:サイド/リアウインドウの視界を確保
フロントフインドウの雨滴をより広い範囲で拭き取る。先述の1985年のEクラス W124に採用された1本アームのパノラマワイパーもそのひとつであったが、この雨滴をいかに流すかの方法として、家にも雨樋があるように、メルセデス・ベンツにも同様の機能である「レインランネル」が設けられている。 筆者が先日、5代目Eクラス W213(E200 アバンギャルド)で確認すると、まずフロントワイパーによって拭き払った雨滴はフロントピラーのレインランネルへと流れる。そしてルーフへと流れ、リアピラー両側とルーフ後端のレインランネルに導かれ、最後にリアウインドウの両側面へ排出する。つまり、フロントピラーのレインランネルは雨滴がドアウインドウ側に流れることを防ぎ、サイドウインドウやドアミラーの視認性を確保する。 そして、リアピラーやルーフ後端のレインランネルは雨滴をルーフやボディサイドからリアウインドウ両側面に流し、リアウインドウの視界を確保。特筆すべきはドアミラーのケースにもレインランネルを設けてドアミラーの視界を確保していることである。
パーキングアシスト・リアビューカメラ(360°カメラシステムと併用)
オートマチックのシフトレバーをリバースにすると、ボディ後部に装着されたカメラで車体後方をモニターし、ディスプレイに表示する。音声案内、ステアリング連動の車両進路予測ライン/ガイドラインなどにより、車庫入れや縦列駐車など後退時の運転操作をサポートするので非常に楽である。
知覚安全性:見せることの安全性(被視認性)
メルセデス・ベンツが重視しているのが被視認性、つまりほかのドライバーや歩行者に素早く自車の存在を見せる安全性である。
凸凹形状のテールレンズからLEDコンビネーションランプへ
以前のメルセデス・ベンツは、後方からの被視認性を良くするために凸凹形状のテールレンズを採用していた。つまり、凸の形状の部分は汚れが付きやすいが、凹の形状の部分は汚れが付きにくい構造であった。 最近のメルセデス・ベンツLEDコンビネーションランプは、凸凹形状でなく平面形状で、汚れが付着しても輝度が保たれ、応答の速い優れた被視認性によって後続車に自車の存在を鮮明に知らせることができ、高い安全性を確保している。さらに、歩行者や二輪車からも確認しやすいウインカーミラーは世界に先駆けて1998年のSクラス W220から採用している。
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