スペシャル企画。「ピエール・エルメ・パリ」実は日本が世界第一号店?ブランド誕生25周年。“日本とピエール・エルメ”の歴史
美味しいからこそ「プラントベース」への動きがお菓子界を変える
今回の25周年イベントで、エルメ氏が大きく掲げたのは「植物性スイーツ」。 いわゆる「ヴィーガンスイーツ」。「サスティナブル」な選択肢のニーズはパリだけではなくアメリカをはじめ、全世界でも高まっているテーマです。健康におけるメリットはもちろんのこと、今の世の中における大きな課題として、「ヴィーガンスイーツ」は最も叫ばれるべきテーマの一つであり、それは環境問題など、それを話すと長くなるほど壮大なテーマ。そんなテーマの中で、まずエルメ氏が最も大事にし、取り組んでいきたいのは下記の2つだという。 1つは植物性のスイーツの展開 2つめは良質な、低カロリーのスイーツ 今回完成したのは植物性のマカロン「マカロン ヴェジタル」。卵もバターも使っていないという。アーモンドのプラリネの「アンフィニマン プラリネ ノワ ド ペカン」と、チョコレートの「アンフィニマン ショコラ」、フランボワーズとピスタチオの「モンテベロ」、そしてバニラとスミレの組み合わせの「アンヴィ」。卵白の代わりに、ジャガイモのプロテインを使っているそう。 エルメ氏は、そのお菓子が植物性だから買ってほしいのではなく、おいしいから食べてほしいと話す。特別なコーナーは設けず、今後も自然と食べて美味しいお菓子として、当たり前のお菓子として、植物性のお菓子を広げていくそう。 今の世の中において、“健康志向”よりも「食べて初めて植物性に気づく」「美味しいお菓子がプラントベースだった」というほうが、人々の生活に馴染むのではないか、より新しいお菓子として自然と受け入れられるのではないでしょうか? 持続可能な世界のために、そして健康的な食とその未来のために、世界の巨匠が新たな一歩を踏み出すようです。この「マカロン・ヴェジタル」も日本市場、そして日本の多くのパティシエにとって衝撃的な1つのスイーツになるでしょう。
ウフ。編集部