ワークマン独自開発の新素材「オニテックス」開発者のこだわりが生んだ、強くて軽くて涼しいカーゴパンツ
2024年2月に開催されたワークマンの2024年春夏新製品発表会で、ひときわ来場者の目を引いたのが、今季から新たに展開されたシリーズである「クロスランダー」を紹介するブースである。
「クロスランダー」の製品は、ワークマンが独自開発した新素材「オニテックス」が用いられている。
「鬼のパンツは破れにくい」というキャッチコピーが付けられた「オニテックス」は、20万回の耐摩耗試験をクリアし、ワークマン基準で摩耗強さは約4倍、引き裂き強さは約2.6倍、引っ張り強さは約3倍という高い耐久性の上に、約130%の横方向ストレッチ、接触冷感、吸水速乾と、多彩な機能を備えている。
今回はワークマン製品開発第1部チーフバイヤーの川田真之輔さんに、ワークマン公式アンバサダーで「クロスランダー」シリーズの共同開発者でもある山田耕史が、製品開発の裏側をお聞きした。
車いじり好きの上司が企画の出発点
山田耕史(以下、山田): 「クロスランダー」の企画はどういったところから始まったのですか? 川田真之輔(以下、川田): 私の上司は車が好きなんですが、ガレージで車やバイクをいじっていると、膝や肘を地面に付けたり、車の下に潜ったりすることがあります。そうすると、どうしても服を地面に擦ったり、突起物に引っかけたりして、生地を破いてしまいます。そういったシーンでの着用に適した、「破れない」、「引き裂きに強い」服をつくりたい、ということが「クロスランダー」の出発点です。 山田: ということは、「オニテックス」は「クロスランダー」に向けてつくられた生地ということですか? 川田: そうです。「破れない生地」というコンセプトで、これまでなかった完全に新しい生地を、生地メーカーとつくりました。 山田: 「クロスランダー」はカタログだけでなく、製品タグにも「オニテックス」の摩耗強さや引裂強さについての数値が明記されています。
川田: 「オニテックス」の組成はナイロン95%、ポリウレタン5%ですが、非常に強い強度のナイロン糸を使うことで、高い耐久性を実現させました。生地のスペックの数値を出しているというケースは非常に珍しいと思います。「20万回こすっても、生地に穴が空きにくい」という具体的な数値があると、説得力が違いますから。