「質のよい睡眠」はフレイルの予防にも効果的! 質の高め方・適切な睡眠時間を解説
皆さんの睡眠時間はどれくらいですか? 睡眠時間は長すぎても短すぎても良くないようです。質の良い睡眠と適切な睡眠時間を保つことで、認知機能の低下予防や生活習慣病予防、ひいては老化により生じる虚弱状態フレイル予防に繋がると言われています。質の良い睡眠とはどのような睡眠なのか、適切な睡眠時間はどの程度かなどについて、鹿児島大学教授で理学療法士の牧迫飛雄馬先生に詳しく解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
睡眠とフレイルの関係とは
編集部: 睡眠と身体的フレイルの関係について教えてください。 牧迫さん: 良質な睡眠は、高血圧や糖尿病など生活習慣病の予防にも効果的とされていますが、身体的フレイルの予防や改善のためにも重要です。睡眠時間は、短くても長くても、身体的フレイルの予防のためにはよくありません。また、睡眠の質が悪化することもフレイルの要因にもなるとされています。 編集部: 睡眠はフレイルの精神・心理的な問題とも関係しているのですか? 牧迫さん: 質の悪い睡眠は精神・心理的な問題にも影響を与えます。睡眠不足はさまざまな生活習慣病のリスクを高めるとされていますが、認知機能の衰えにも影響することが懸念されます。睡眠不足や眠りが浅いことにより、脳や肉体の疲労回復のために重要だとされているノンレム睡眠(深い眠り)の時間が確保できないと、アルツハイマー病の原因物質と言われるアミロイドβが脳に蓄積されやすいとも言われます。また、長すぎる睡眠も認知機能の低下に影響すると言われています。 編集部: 睡眠に関して意識することでフレイルは予防することができるのでしょうか? 牧迫さん: フレイルの予防のためにも睡眠を意識することは大事な生活習慣のひとつです。適切な睡眠時間、ぐっすりと眠れたと感じる睡眠の質、夜間の中途覚醒の防止、日中の眠気の防止などを意識することが大切です。日中の積極的な身体活動の促進は、これらの睡眠の状態を良好にすることにもつながります。