予選会残り10Mで倒れた東海大のロホマンが復帰レースでトップ「26年の箱根駅伝は絶対に走ります」
東海大長距離競技会が31日、神奈川・平塚市の東海大湘南キャンパス陸上競技場で行われ、第101回箱根駅伝予選会(10月19日、東京・立川市など)の個人ハーフマラソンでゴール手前約10メートルで熱中症のため途中棄権したロホマンシュモン(3年)が復帰レースとして1万メートル第1組に出場し、30分22秒10でトップを取った。予選会以来、約2か月2週間ぶりの復帰レースで自己ベスト記録(29分7秒48)には1分以上及ばなかったが、強風が吹き荒れる中、積極的に先頭を走り、2026年1月の第102回箱根駅伝に向けて復活への第一歩を記した。「第102回箱根駅伝は絶対に走ります」と力強く話した。 ハーフマラソンを一斉スタートし、上位10人の合計タイムで10枠の本戦出場権を争った予選会で、東海大はチーム10番手を走っていたロホマンが残り10メートルで途中棄権するアクシデントなどがあり、14位で落選を喫した。意識を失ったロホマンは救急車で近隣の病院に搬送され、熱中症と診断された。病院で意識を取り戻し、幸い大事には至らなかったが、念のために1日だけ入院した。 季節外れの暑さとなった予選会で、ロホマンは倒れるまで走った。しかし、東海大はロホマンに続く選手も苦戦して10番目のタイムが大きく遅れて予選会で敗退。12年連続の出場を逃した。 「予選会敗退の責任を感じています。予選会から2週間くらいはメンタルが落ちました」とロホマンは率直な思いを明かした。しかし、今は気持ちが切り替わっている。「仲間、家族、先生の励ましによって、今は、やる気、モチベーションが高まっています。きょうは30分ちょうどが目標でクリアできませんでしたが、風が強い中、先頭で走り、最後まで最低限、粘ることはできました」と前向きに話した。 今年1月の第100回箱根駅伝で東海大は9区終了時点で10位。しかし、最終10区でアンカーのロホマンが区間20位と苦戦し、11位に後退。10位でシード権を確保した大東大と1分10秒差で予選会に回ることになった。両角監督は「前回の箱根駅伝でも、今回の予選会でも、ロホマンがきつい役回りとなってしまっているが、ロホマンひとりが悪いわけではない。私を含めて、チーム全体に力が欠けていた」と話し、現状を受け止めている。 東海大は、2019年の箱根駅伝で悲願の初優勝。その後、2位、5位と上位で戦ったが、直近の3大会は11位、15位、11位で3年連続でシード権を逃し、今回は本戦出場を逃した。苦難が続くが、立ち止まるわけにはいかない。前回1区5位と好走した兵藤ジュダ、エースの花岡寿哉、竹割、鈴木天智、そして、ロホマンらが来季の最上級生となる。 この日の1万メートル第2組では永本脩(2年)が強風の中、28分55秒98の好タイムをマークするなどチーム状態は少しずつ上向いている。ロホマンは「来年は絶対に予選会を突破して、26年の箱根駅伝を走ります」と強い決意を明かした。第101回箱根駅伝が始まる前に、東海大は第102回箱根駅伝に向けて走り出している。 ◇東海大 1961年創部。箱根駅伝は73年に初出場。2019年に初優勝。出雲駅伝は優勝4回(05~07、17年)、全日本大学駅伝は優勝2回(03、19年)。練習拠点は神奈川・平塚市。タスキの色は紺と白。主な陸上部OBは08年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリストの末続慎吾、塚原直貴、12年ロンドン五輪トラック長距離代表の佐藤悠基(SGホールディングス)ら。
報知新聞社