「失業」「精神の失調」「人間関係の失敗」3つの“失”が社会問題に、中国でまた無差別殺傷事件 背景は?【Nスタ解説】
東京大学大学院の阿古教授は「中国政府が根本的な解決をしない限り、今後も同様の事件が発生する可能性はある」とみています。 中国の失業率(全国平均)は5.2%ですが、肌感覚でいうと、また違った声もあるそうです。 東京大学大学院 阿古智子 教授: 若年層の失業率はもっと高いです。政府系のメディアが非常に宣伝を重視するので、「データがおかしいのでは」という声も出てきてしまっています。 井上キャスター: GDPもそうですが、中国が発表する国際的なデータは眉唾で見るべきだという声もありますが、いかがでしょうか。 東京大学大学院 阿古智子 教授: そういうふうに疑われやすくなるんです。統制するということは、何か都合が悪いことを隠しているのでは、と思わせてしまいます。 信頼されたいのであれば、情報統制はやめるべきだと思います。 ホランキャスター: 根本的な解決のためには、どうすればいいんでしょうか。 東京大学大学院 阿古智子 教授: やはり弱者の方々、景気の悪化で非常に苦しんでいる方々をサポートするセーフティーネットをもっと整備するべきです。 そのためには政府だけではなく、NGOや市民団体も自由に活動できるようにしなければいけません。ですが、そういった団体も統制されていて、一つ一つ閉鎖に追い込まれています。弱い人が相談できる窓口がないんです。 ========== <プロフィール> 阿古智子 さん 東京大学大学院教授 現代中国の市民社会・教育などを研究
TBS NEWS DIG Powered by JNN