【災害時にも美味しいごはん】災害に備える賞味期限パトロールと、乾パンをおいしく食べるテクニック
非常食のド定番! 乾パンはアレンジ次第でこんなにおいしく!
泉さんがおすすめし、実際に自身も備えているのは「普段食べ慣れているもの」が中心だが、「非常食の定番である乾パンも、賞味期限は5年間と長く、1缶200円程度で低コスト、場所を取らないといったことなどから、優れた非常食であることは間違いありません」とのこと。 「乾パンが苦手な方からは、パサパサとして口の中の水分が奪われるという声をよく聞きます。また、味に飽きてしまい、連続して食べるのはつらいという声も。だったらアレンジしてしまえばOK。 すごく簡単なアレンジだと、マヨネーズやケチャップ、メープルシロップなどをつけるのもおいしいですよ。あとは油で揚げてしまうのも、お子さんには好評です。お菓子作りが趣味で材料が家にあれば、乾パンティラミスもおすすめ。 どれも乾パンのイメージを覆すおいしさで、おかわりしたくなる味ですよ」
ライターYが作ってみました!
今泉さんのアドバイスをもとに、ライターYが備蓄していた乾パンをさっそくアレンジして食べてみた。 【乾パンのオーロラソースがけ】 「ケチャップとマヨネーズを同量で混ぜ合わせたものを、乾パンの上にのせるだけ。乾パンのパサつきが気にならなくなり、お酒のおつまみにもいいようなスナックになりました。メープルシロップやはちみつなど、甘味を足すのも子どものおやつにgood!」
【揚げ乾パン】 「「乾パンを少量のサラダ油で30秒ほど揚げるだけ。それだけで、さらにサックリ&カリカリに! 香ばしさが加わって、ついつい手が伸びてしまうおいしさでした。揚げ時間が長いとすぐ焦げてしまうので、手早く揚げるのがポイントです」
【乾パンティラミス】 「通常はスポンジ生地を使う底の部分に細かくした乾パンを敷き詰めました。コーヒーシロップ(インスタントコーヒーを濃いめに溶いて砂糖を入れたもの)をしみ込ませた乾パンは、「本当に乾パン!?」と思うほどしっとり。 泡立てた生クリームとマスカルポーネチーズと砂糖を混ぜたクリームをのせ、ココアをふって出来上がり。おうちでちょっと贅沢なおやつを食べたいときにもおすすめです」
【教えてくれたのは】 今泉マユ子さん 管理栄養士、防災食アドバイザー、防災士、日本災害食学会災害食専門員。1969年生まれ。管理栄養士として大手企業社員食堂、病院、保育園等で勤務。東日本大震災をきっかけに防災食の研究を始め、現在は防災食について講演やワークショップ、商品開発などを行うほか、テレビや雑誌などメディアを通じて災害食のレシピなども発信。『災害時も、普段も、役立つ「お湯ポチャ」調理 免疫力アップレシピ』(清流出版)など著書多数。 撮影・取材・文/遊佐信子