[復活希望]おしゃれでマジメ!! 日本中に革命を起こした[マーチ]というエリートコンパクトカー
アラフォーおじさんたちが見てきた日産は、ティーダやパルサーなど、活きのいいコンパクトモデルを扱うメーカーだった。そのなかでも、日本のコンパクトカーの常識を変えたとも言われているのが、マーチの2代目モデルK11型。日本を愛し、日本中に愛されたコンパクトカーの生き様をプレイバック!! 【画像ギャラリー】さすがはオシャレ番長!!!K11型[マーチ]はシートの柄も超いいね!!!!!(10枚) 文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
■突き詰めていったタウンスモールの魅力
日産を変える一大モデルへと成長するマーチは、日本と欧州の2つのマーケットを主戦場にしたクルマだった。スズキの2代目スイフトもそうだが、欧州市場基準で仕上げられ、日本人の真面目さが表に出たクルマは、そのメーカーを大きく変える存在となることが多い。 「小さいから安くて粗雑」が当たり前だった日本のコンパクトカーの中で、プラットフォームやエンジンを新開発し、ニューモデルとして投入されるクルマは珍しかった。特にマーチは、小さいことが悪いことではなく、小さいことは日常で・街中で暮らしやすい「魅力」であると訴えたのだ。 だからこそ、これまでの国産コンパクトの常識を、根底から覆すことができた。小さいということを愛する、この精神がK11型マーチを日産不動の名車の位置まで連れて行ったのだろう。
■最初に安全性訴えるのがマーチの独自性
マーチの車両カタログは、一般的なクルマと車両説明順が大きく異なる。普通はデザイン/室内の特徴を並べ、次にクルマの走りや機能について語る。最後に安全性が説明され、カラーやグレードの紹介へと繋がるのだが、マーチのカタログを初めて読むと違和感があるのだ。 初めに車両概要が説明されるのだが、エクステリア・インテリアの写真が並ぶと、まず文章として初めに訴えるのが「安全性」だった。これがマーチの一番大切にしてきたこだわりの部分なのだろう。 スモールボディだからこそ、安全性には細心の注意を払って取り組むという姿勢が、他のコンパクトカーと大きく違った。運転環境を整備し、車両の基本性能を向上させ、ABSに代表されるシステムを整備し、予防安全(アクティブセーフティ)を提唱したのだ。これと同時並行で、衝突安全(パッシブセーフティ)の基本性能も高めていく。 こうした安全性という土台がある上に、快適性や使いやすさが加わってマーチの魅力はさらに引き上げられた。普通は、いの一番に書きたくなるエクステリアや走行性は、最も後ろのページに追いやるほど、マーチの安全性へのこだわりは強いのである。