「1ドル130円」の時代に突入か?…今週開催のFOMC「米利下げ」で生じる“リスク”【国際金融アナリストが考察】
一時140円割れまで下落し、年初来の安値を記録した「米ドル=円」。2週間で約7円も下落していますが、18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、今週の米ドル/円の動きについて「138.5~143円」であると予想します。その根拠について、本記事で詳しくみていきましょう。 【画像】「30年間、毎月1ドルずつ」積み立て投資をすると…
9月17日~9月23日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント> ・先週の米ドル/円は年初来の安値を更新、140円割れ寸前まで下落。 ・9月に入ってからの2週間で、米ドル/円は約7円も下落。投機筋が米ドル売り・円買い戦略を積極化するなかで、円安への戻りが鈍いまま円高が拡大している模様。ただ徐々に米ドルの短期的な「下がり過ぎ」、円の「買われ過ぎ」懸念も出てきた。 ・今週の注目はFOMC。米ドル/円は138.5~143円で予想。
先週の振り返り…米ドル/円、140円割れ寸前まで下落
先週の米ドル/円は続落し、年初来の安値を更新。140円割れに迫る動きとなりました(図表1参照)。18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、0.5%の大幅利下げ予想が再燃したことなどが、米ドル売り・円買いの動きを勢いづかせました。 「令和のブラックマンデー」と呼ばれた8月5日の世界同時株暴落で、141円台まで急落したあとは、方向感の乏しい動きが続いていた米ドル/円でしたが、9月に入ってからはほぼ一本調子で下落が広がるところとなりました。 ただし、このように米ドル/円が9月以降一方向への動きになるのは、例年見られる傾向です。2023年も、9月最初の営業日が安値となり、そのまま11月にかけて、151円まで米ドル/円はほぼ一本調子で上昇に向かいました(図表2参照)。 この背景には、特に欧米のトレーダーの場合、9月に入ると名実ともに夏休み明けでトレードを本格化させる影響があるようです。2023年の場合は、この結果円売り戦略を積極化したことで、円高への戻りが鈍いなか、一段の米ドル高・円安に向かったと考えられます。 今回は、1年前とは反対に、米利下げの一方で日銀は追加利上げを模索していることから、米ドル売り・円買いが仕掛けやすくなっているといえます。 9月に入ってから円安への戻りが鈍いなか、米ドル安・円高方向への動きが広がってきた背景には、こうした米ドル売り・円買いトレード本格化の影響もあったのではないでしょうか。
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