ひと晩で「12台も盗難される…」なぜ? 大量盗難が増えている理由は? でも「ほぼ全部発見されている!?」 意外な理由とは
大量盗難が増えている理由とほぼ全部発見されているナゾを解明!
最近、ディーラーや中古車販売店、空港利用者向け駐車場などで一度に複数のクルマが盗まれる例が多発しています。 中古車展示場からの盗難はいまに始まったことではありませんが、今年に入ってから急増している印象があります。 従業員が全力で捜索した結果、全車発見されるケースも増えておりそれをメディアが密着取材などという形で大きく報道することで、大量盗難の実態が多くの人々に知られるようになりました。 【画像】「えぇぇぇぇ!」これが盗まれやすいクルマの特徴です。(全22枚)
2024年1月29日に群馬県館林市で8台が盗まれたことに始まる旧ビッグモーター店舗での盗難は4県6店舗で合計29台が盗まれました。 公開されている以外では合計50台以上が盗まれたという情報もあります。 また成田空港周辺に複数の拠点を持つパーキングにて、ひと晩で「高級車9台」盗難された被害もありました。 このほか、公開はされていませんが関東地方の新車ディーラーなどからも複数台の中古車が盗難されたことがわかっています。これらのお店は当然ですが盗難車両の捜索も積極的にはしていません。
なぜなら販売用の展示車両ならまだしも、整備や点検、修理、そして旅行中などで預かっていたお客さんのクルマが盗難されたとなれば店舗のイメージが大変悪くなります。 「管理が悪い」「危機管理ができていない」「客のクルマをたいせつに扱わない」などの情報が広まることによるイメージダウンや、窃盗犯に「あの会社は防犯意識がゆるいから、また盗みに行こう」など再犯を促す危険もあるからです。 このような大量盗難に関して各種の報道や筆者が現地に足を運んで取材した事実から、いくつかの共通点があることがわかりました。 ーーー ・1度に複数のクルマを盗む複数窃盗がほとんど。例えば1回3名3台×3回で合計9台、1回2名2台×3回で6台など。 ・アルファードやランクルなどの人気車種ではなく、盗みやすい場所にあってセキュリティが甘い(鍵をつけっぱなしなど)クルマを手あたり次第盗む ・手口はかなり荒っぽい。事務所のガラスを割って侵入し保管されている鍵を盗んだり、駐車場のフェンスを壊したりして盗む。プロの自動車盗のプロではないため、侵入盗のような盗み方をする。 ・CANインベーダーやGAME BOYなどの最新窃盗ツールを使用しない。これらのツールは1台100万円以上するのが一般的なので、潤沢な資金がない「にわか自動車盗」はそこまでの投資ができない。 ・防犯カメラやドラレコがほぼそのまま作動していることが多い。自動車盗の専門であれば、カメラやドラレコなど確実に証拠が残るものはカメラを覆ったり、Wi-Fiで妨害電波を出したりして作動させないようにする。 ーーー このような傾向が強くあります。そして大量盗難が起きたお店の防犯カメラや車内のドラレコに記録されていた会話の内容からもわかる通り、ほぼすべてがベトナム、カンボジアなど外国人窃盗団の仕業だと考えられます。 なおベトナム人が増えているという実態は警察庁の犯罪統計「来日外国人の重要犯罪統計」にも表れており、「2022年1-12月10名」「2023年1-12月18名」となっています。 そして2024年は1-9月で22名とすでに2023年通年を上回っている状況です。いずれも国籍別のワースト1位です。 また、自動車盗を含む「重要窃盗犯」の検挙人数に関しても2023年は総数323件のうち約半数となる151件がベトナム籍です。 2024年1-9月では総数269件のうちアジア国籍が221件、ベトナム籍は118件(前年同期82件)とダントツに多い数字となっています。