お正月の雑煮 めでたいものなのになぜ「雑」? 意外に知らない雑煮にまつわる豆知識
雑煮の具材で縁起担ぎも
雑煮の汁もさまざまです。みそ仕立ての地域、しょうゆ仕立てのすまし汁の地域、小豆汁仕立ての地域などがあります。東日本はすまし汁が多いですが、みそ仕立ては失敗を意味する「みそがつく」ことを連想させるため、武家社会で避けられたとか。 また、雑煮に入れる具材は、その土地でとれる食材を用いることが多いですが、縁起を担いでいるものもあります。 たとえば野菜であれば、青菜は「名をあげる」、カブは「株を上げる」、里芋は「子孫繁栄」、八つ頭(やつがしら)は末広がりの「八」から「人の頭に立てるように」と「立身出世」、ニンジンと大根は「ん」がつくので「運がつく」など。魚介類だと、ブリは「出世魚」、その稚魚であるフクラギは「福来魚」、二枚貝のカキは「福をかき入れる」、エビは「長寿」の象徴として親しまれています。 いろいろな縁起物が混じり合って、鍋で煮込まれた雑煮。具材や味には、その地や家庭ごとの言い伝えや由来が受け継がれていることでしょう。その一椀に詰まった伝統や思いを感じながら、新しい一年の始まりを温かな気持ちで過ごしてみてはいかがでしょうか。
鶴丸 和子