ラグジュアリーブランド がカテゴリーを多様化する理由。本格時計に進出するルイ・ヴィトンなど:Luxury Briefing
データありきではなく新しいことに挑戦すること
エチェバリア氏にとって、ラグジュアリーデザイナーが新しいことに挑戦するのを後押しする最後の重要なポイントがある。アカデミーのターゲット層について尋ねられたとき、彼は答えを持っていないと述べた。 「正直なところ、それは考えていない」と彼は言う。「自分が好きなファッションはある種の感情を呼び起こすもので、自分はその服を着る人たちの感情に訴える何かを作ろうとしている。それがファッションに対する自分の考え方だ」。 ファッション、特にハイエンドなファッションはデザインによって左右される。そして企業は採用したデザイナーの創造的なビジョンを頼りにする。フォーカスグループやデータセットを参照しないことにはいかなる決定も下せないような、すべてにおいてデータありきの多くの業界とは異なり、ラグジュアリーファッションはクリエイティブディレクターのインスピレーションのままに任せることが多い。もちろん、取締役会がよい結果を見ることができなければ、そのクリエイティブディレクターは解任されるかもしれない。だが、ラグジュアリーファッションは、トレンドを追うのではなく、トレンドを設定する仕事をしているのだ。つまり、デザイナーはみずからのミューズに従い、新しいことに挑戦することが奨励されている。 「(デザイナーの)仕事はアイデアや感情を服に変換することだ」とエチェバリア氏は言う。「どんなカテゴリーを手がけていようが、自分のデザインや素材を通してそれを行う。そしてそれがうまくいけば、年齢やデモグラフィックなどに関係なく、オーディエンスを見つけることができるだろう」。 [原文:Luxury Briefing: Why luxury brands are diversifying their categories] DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)
編集部