“おひとりさま”生活のお金事情、どう備える? 人気FPがアドバイス
“おひとりさま”として生活していくにあたり、お金の面で備えておくべきことは? 必要以上に不安になる前に押さえておきたいポイントを、インスタグラムへの投稿で主に20~40代の女性から支持を集めるFP(ファイナンシャルプランナー)のfumicoさんが、インスタでもお馴染みの手書きのノートとともに解説します。 【ノートで読む】“おひとりさま”生活のお金事情、どう備える?
誰もがなり得る“おひとりさま”、備えるべきことは?
“おひとりさま”生活について考えておきたいのは、独身の方だけではありません。 結婚していても、この先、離婚するかもしれませんし、子どもがいても常に近くに住んでいるとは限りません。女性は男性よりも平均寿命が長いため、死別によりひとり暮らしとなることも。誰もが人生のどこかのタイミングで“おひとりさま”になる可能性があるのです。 これまでのように結婚や出産が世の中の見えない“ルール”でなくなり、選択肢が増えたのは喜ばしいことですが、ひとりで暮らしていくにあたっては、準備しておいた方がいいこともあります。
「生活防衛資金」は多めに準備を
家計管理のポイントは独身でも既婚でも大きく変わりませんが、おひとりさまの場合はブレーキを掛ける人がいないため、趣味や美容などに際限なくお金を使ってしまう可能性も。浪費を防ぐため、♯53(『結婚する時に考えておきたいお金のコト』)で書いたような「自分軸」、つまりご自身の価値観や生きがいを基に、譲れない支出が何かを考えましょう。お金を掛けるところ、節約するところのメリハリを付けることが重要です。 合わせて、生活水準を上げ過ぎないことや、固定費の削減も意識したいところ。一度膨らんだ支出を減らすのは難しいですし、通信費・民間の生命保険料といった固定費を減らすためには契約の変更など手続きが必要なことも。面倒なことほど、先回りして手を打っておきましょう。 おひとりさまでも健康で仕事をしている、いわば“通常運転中”は大きな心配は要りませんが、体調を崩したり、リストラ・倒産などで仕事を失ったりといった予期せぬ事態に弱いのは事実です。これらに備えて準備しておきたいのが生活防衛資金。♯47(『もうすぐ始まる新NISA 投資を始める前に本当にやっておくべきこと教えます』)で一般的には生活費の6か月分とご説明しましたが、おひとりさまの場合は6か月から1年分が目安となります。 病気や怪我への備えについて、まずは「どの程度、備えられているか」を確認しておきましょう。会社員や公務員が加入する健康保険には、病気や怪我で仕事を休み、要件を満たす場合に支給される傷病手当金の制度がありますし、お勤め先によっては、医療費の自己負担を抑えてくれる付加給付の仕組みがある場合も。一方、フリーランスや自営業の方には、これらの仕組みがありません。 働き方によって、備えの手厚さが異なることには注意が必要です。