“おひとりさま”生活のお金事情、どう備える? 人気FPがアドバイス
住宅購入の返済プランはより慎重に
住宅を購入する場合、おひとりさまは返済プランをより慎重に考えましょう。万一、収入が失われた場合、返済計画がすぐに行き詰まってしまうおそれもありますから、借入額・毎月の返済額に余裕を持たせることや、変動金利型を選ぶ場合は、この先、金利が上昇しても返し続けられるかどうかを確認することが必要になります。 高齢になった時に、今と同じ場所に住んでいるとは限りませんし、同じ場所に住んでいてもその時の自治体の財政状況などにより、住民サービスは変更されている可能性もあります。それでも、「困った時にどういった機関に相談すればいいのか」「どんな制度があれば住み慣れた場所での生活を維持しやすいか」をイメージするため、現時点での状況を確認しておければ安心です。 公的年金シミュレーターは、思っているよりも気軽に利用できます。毎年、誕生月に日本年金機構から送られてくるねんきん定期便の「年金見込額試算用二次元コード」を読み取り、「いつまで働くか」、「いつから年金を受け取るか」などの項目を入力すれば、これまでの加入実績を踏まえた年金受取額を簡単に試算することができます。「ねんきん定期便が届いたら、その時点での見込額を試算してみる」ことをルーティンにしておくのもオススメです。
ライフイベントを設定して目標とメリハリを
ライフプランを考える時は、100歳まで生きる前提で。2023年時点での女性の平均寿命は87.14歳ですが、90歳以上まで生きる方が2人に1人と、「人生100年時代」はすぐそこまで来ています。 65歳まで働いても、その後35年間の生活費が必要となるため、年金を増やし、積立投資でお金を働かせることで、お金の寿命も延ばしておきたいところです。 一般的なライフプランは結婚・出産や住宅の取得など、家族がいることを前提としがち。数年おきに卒入学、季節ごとに行事や試験のあった学生時代と違い、社会人になれば季節を感じる暇もなく、あっという間に数年過ぎてしまったと感じる方も多いかと思います。 しかし、ライフイベントは大きなコトだけとは限りません。転職・起業・資格取得、勤続〇年の自分へのご褒美、引っ越し・家電の買い替え、海外旅行など、比較的小さなコトであってもライフイベントとして設定してみることで、目標や生きがいに繋がります。 家族構成だけでなく、選択的夫婦別姓制度や同性婚がいまだ認められていないなど、日本では制度が現実に追い付いていない点が多々あります。家族の形も時代に合わせて変化しますし、助け合う相手は家族でなくても構いません。信頼し、支え合える相手を見つけられればベストです。 おひとりさまの最大のメリットは、何かを始めたいと思った時に、ご自身の思いやスケジュールを最優先できるところ。 お話ししたポイントを今日から実践していけば、必要以上に不安を感じることなく、おひとりさまの生活をより一層充実したものとできるのではないでしょうか。
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ノート・文:fumico