ヨンフォアオーナーにビッグニュース!! 当時の図面から復刻したCB400フォア用純正マフラーを三恵技研工業が限定販売!!
集合部分からテールエンドまでなだらかなテーパー角が与えられたサイレンサーもまた、三恵技術者の努力の賜物である。軽快かつスポーティなイメージを追求するヨンフォアには、モナカ合わせよりテーパーサイレンサーの方が似合うとデザイナーからリクエストがあったものの、当時の三恵ではこれほど長いテーパー巻きパイプの製作実績がなかった。 そこで技術者はテーパー巻き用の治具製作から始め、徐々に長いパイプを巻く技術を獲得しながらデザイナーの希望に応えるサイレンサーを具現化し、これが量産市販車初の装備となった。1970年代初頭に丁々発止を繰り返しながら行われてきた昭和のモノ作りは、当時の技術者とデザイナーとの打ち合わせ議事録にも克明に記録されていたそうだ。 ──サイレンサーは半割状態のパーツの上下を溶接してつなぎ合わせるのではなく、1枚の素材板をテーパー状に巻いたものにしたいというデザイナーに対して、三恵の技術陣はテーパー巻きの技術から開発した。現在では当たり前の手法も、最初に実用化した際はまさに手探り状態だった。
スタイリングの核心部分はホンダのデザイナーが行い、仕様を含む具体的なマフラーの構造は三恵が担当する形で誕生したヨンフォア用マフラーがきっかけとなり、ホンダは三恵をマフラーメーカーとして承認し、マフラー本体にはHONDAと別にSANKEIのロゴマークが刻印されることとなった。 ちなみに今も使われているSANKEIのロゴマークは、ヨンフォアをデザインした佐藤氏が三恵技術陣の労をねぎらう意味で個人的に制作してくれたものなのだそう。現在に続くSANKEIの書体が、ヨンフォアのサイドカバーの400FOURの文字とどこなく似ているのにもそうしたエピソードがある。三恵にとって、ヨンフォア用マフラーは受注発注の関係性から作られたひとつの部品というだけでなく、自社が積極的に開発に関与したという点でエポックメイキングな存在なのだ。 ──4into1マフラーの企画こそホンダのデザイナーのアイデアだが、作図や試作段階から三恵が深く関与したことがきっかけとなり、三恵はマフラーメーカーとして承認され、完成したマフラーにはHONDAとならびSANKEIのロゴマークが刻印された。このロゴデザインを手がけたのもホンダのデザイナーだった佐藤氏で、言われてみればサイドカバーの書体の雰囲気とよく似ている。