ヨンフォアオーナーにビッグニュース!! 当時の図面から復刻したCB400フォア用純正マフラーを三恵技研工業が限定販売!!
完全再現のために細部までこだわり抜いた技術陣
ヨンフォア用純正マフラーはホンダから承認を受けた三恵の製品ではあるものの、現在はホンダの純正部品として販売されていない。三恵社内で復刻の機運が高まったといえ、販売終了となった純正部品が再び販売される例は希有である。特に三恵は現在でもホンダ車用純正パーツを製造する部品メーカーであるから、もちろん今回のプロジェクトはホンダとも情報を共有して行っている。 一般論として、発売から長い時間を経過した純正パーツの需要は徐々に低下する。新車発売当時に年間1000個売れていたものが20年後に50個しか売れなくなった場合、車両メーカーはともかく、その部品を納入するメーカーが50個のために生産設備を維持することは生産コスト上昇に直結する。その分を純正部品代に転嫁できれば良いが、バイクメーカーが設定する純正部品価格では部品メーカーが対応できなくなる場合もある。 いくら人気があるとはいえ、市場に残存しているヨンフォアの台数と需要を想定すれば、ホンダ自体が純正部品として販売することはあり得ないレベルにしかならない。だからこそ今回はホンダから承認を得た上で三恵が自社で販売する枠組みが成立したのだ。 今回製造する300セットという数量は、量産メインでマフラー製造を行う三恵にとっては非常に少量である。ただ、単にビジネスというだけでなく「温故知新」というメーカーをかけて行うテーマがあるが故に実現したともいえる。ただしホンダの承認を得てホンダのロゴを付けて販売する純正部品である以上、エンドユーザーからのクレームでホンダに迷惑を掛けることはできないというプレッシャーは強かったそうだ。 純正部品を製造するための金型は2009年に既に処分していたため、ヨンフォア用マフラーを製造するにあたり、まず最初に開発陣が探したのは当時の図面だった。現物を3Dスキャニングしてデータ化するリバースエンジニアリングのような手法も考えられるが、前項で説明したとおりこのマフラーは三恵で設計し作図も行っているため、完全復刻のためには図面にさかのぼるのが最善策である。 ──カタログに掲載されていたマフラーの内部構造図。ヨンフォア最大のアピールポイントだっただけに、内部構造が詳細に解説されている。