ヨンフォアオーナーにビッグニュース!! 当時の図面から復刻したCB400フォア用純正マフラーを三恵技研工業が限定販売!!
ホンダとの協業で誕生したヨンフォア用4into1
絶版車市場での人気と三恵社内のモノ作り文化継承の温故知新精神から、ヨンフォア用マフラーの再生産プロジェクトがスタートしたのは2021年末。市販車初の4into1マフラーを装着したヨンフォアが市販化されたのは1974年末のことだが、ではその当時はどのようなプロセスでモノ作りを行っていたのだろうか。 ヨンフォアのスタイリング開発に当たったのはホンダのデザイナーである故・佐藤允弥氏。それまでのCBシリーズのスタイルを刷新して俊敏なイメージを全面に押し出す中で、マフラーは独立した4本タイプではなく4into1に、サイレンサーは左右半割のパーツを中央で溶接するモナカ合わせタイプではなくテーパー巻きにしたいという希望がレンダリングにも描き込まれている。 だが意外なことに、エキゾーストパイプのレイアウトや集合部分のデザインといった具体的な部分に関してはホンダから図面が提出されたわけではなく、三恵の技術者が試作を通じてモノ作りを行い、図面を制作した上でホンダのデザイナーやエンジニアと打ち合わせを繰り返しながら開発を進行したという。 例えば、エンジン右側のクラッチカバー下でエキゾーストパイプが4本並ぶ集合部分は、当初三恵の技術者は4本をまとめる方向で開発を進めていたという。ところがヨンフォア用エンジンのベースとなったCB350FOUR用のオイルパンは下方への出っ張りが大きく、エキゾーストパイプをエンジン下でまとめると最低地上高不足となってしまう。後のCB550FOUR-Ⅱでは右側ステップ下に集合部を配置したが、ヨンフォアでそのレイアウトを採用するとコーナリング時のバンク角が不足してしまう。そこで窮余の策でたどり着いたのが、フラットなグローブ型の集合部形状だった。 一方で、CB350FOUR用オイルパンのままではどうしてもマフラーと干渉してしまう部分については、ホンダのエンジニアがオイルパン形状を変更してくれたという。ヨンフォア用4into1の集合部分はこのマフラーを象徴する部分だが、実は三恵の技術者が試行錯誤の結果として作り出した形状だったのだ。 ──デザイナーが制作したレンダリングにも4into1マフラーが描かれていたが、具体的にどのような仕様にするかは三恵技研に委ねられた。エンジンやフレームはCB350FOURをベースとするため、設計上の制約も多く、その結果4本のエキゾーストパイプが平面状に並ぶ集合部が誕生した。このエキパイがエンジン右側に配置されたのも、クランクケース中心のオイルフィルターを避けるためだ。