ヨンフォアオーナーにビッグニュース!! 当時の図面から復刻したCB400フォア用純正マフラーを三恵技研工業が限定販売!!
そのマフラーを純正部品として製造していたのが、ホンダ車を中心にメーカー純正マフラーやフレーム部品の製作を行う独立系部品メーカーである三恵技研工業株式会社(以下三恵)だ。その三恵がヨンフォア誕生から半世紀を経た2024年、なんと新車当時に装着されていたのと寸分違わぬ4into1マフラーを限定生産するという。 バイクを維持し後世に残すためにはさまざまな補修部品が不可欠であり、ある程度の機能部品に関してはバイクメーカーが供給を行うこともある。だが製造から長い年月を経た絶版車の場合、販売終了となる部品も多い。特に燃料タンクやマフラーといった大物外装パーツについては、車両生産と販売が終わると比較的早くに販売終了となる例も少なくない。もちろんヨンフォア用純正マフラーも、ホンダからの部品販売はすでに終了している。 それがなぜ今、再生産となるのか。そこには二つの要因がある。ひとつはユーザーの声。国内外を問わずヨンフォアは今も人気が根強く、市場にも一定数が残存しており、絶版車全体の純正嗜好の高まりというトレンドにもマッチする。そしてもう一つは、三恵社内でのモノ作り、技術継承という目的である。 1980年後半頃から工業製品の開発製造現場に3DやCADが本格導入されて以降、いわゆる「モノ作り」の様相は一変し、現在では試作から性能評価まですべてバーチャルで進行するのが当たり前となっている。試作品を製作する段階では細部まで仕様が決まるため効率は良いが、パソコンの前でキーボードやマウスを操作して行う開発には、モノ作りに対する実感が得づらいという側面があることは否定できない。 特に三恵のような部品メーカーにとっては、相手メーカーから送られてくる図面通りの製品を作るだけでは、自社の問題克服や解決能力を鍛える機会が減少してしまうという問題も生じてくる。皆で試行錯誤して製品を開発してきた歴史を知る社員が会社を去れば、その技術も途切れてしまう。そうした有形無形の資産やノウハウこそモノ作りを行う企業の財産であり、「温故知新」の精神に照らしても最適であると判断されたのがヨンフォア用マフラーの再生産だった。 ──高校生時代にCB350FOURを所有し、現在はCB400FOURオーナーでもある三恵技研工業株式会社生産本部の関口好文さん(右)と、営業部の山西早穂さん。関口さんはCBX(1000)やVFR750R(RC30)のエキゾーストパイプ、CBR400F用フレームの製造で曲げ工程を経験してきた技術者で、自分たちが経験してきた手法を若手世代と共有することで魅力的なモノ作りに役立つとこの企画を主導した。