「プーチンは妥協できない」 ロシアとウクライナ エスカレートするミサイル撃ち合いの行きつく先は
■水面下の交渉は行われているが…
「24時間で戦争を終わらせる」と主張するトランプ次期大統領は、ウクライナのNATO加盟を事実上凍結し、現時点での前線ラインで停戦するという案をベースに考えている。 この提案を軸に、水面下でさまざまなアイディアが交わされているようだ。 たとえば、停戦ラインを設ける場合、管理するのがNATO軍だけではロシアは納得できない。そこで第三国の軍隊としてインド軍が候補に挙がっているといった具合だ。 また、プーチン大統領は、大統領選を延期しているゼレンスキー大統領をウクライナの公式な大統領だと認めていないことも問題として浮上している。停戦の合意書への署名者を誰にするべきなのか。 しかし、いくら詳細を詰め、トランプ次期大統領が間に入っても、プーチン大統領が望む4州全てをロシアに明け渡すということにはならないだろう。トランプ氏が大統領に就任しても、外交交渉で自分の「メンツ」を保てる結果を得ることができないと悟ったとき、プーチン大統領がどう対応するのか。深刻な局面が続いている。 ロシア国内では、冒頭に触れたような「核の脅威」を振りかざす保守派の意見が勢いを増している。本格侵攻開始から1000日を超え、反戦・反プーチンを訴える人びとへの弾圧は厳しさを増している。 しかし、それでもなお、2月に獄中死した反政権のシンボル、ナワリヌイ氏の墓を訪れる人は絶えることがなく、花に埋め尽くされている。 ロシア国内からこの戦争を止めようとする動きもまだ根強くあることも忘れてはならない。
テレビ朝日