NewJeansはNewJeansじゃなくなる? 5人と生みの親ミン・ヒジンの今後を予想
契約解除を切り札に臨んだ所属事務所への要求はどうなる
韓国のK-POPガールズグループNewJeansが、所属事務所ADORに対して処遇の改善などを求めた内容証明を送ってから14日。回答期限としていた2週間となったなか、NewJeansと彼女たちの生みの親として知られる事務所の前代表ミン・ヒジンにはどんな選択肢が残っているのだろうか? 【動画】NewJeansハニ「いつまでNewJeansでいられるか......」 まずは、半年以上続く所属事務所の親会社HYBEとミン・ヒジンの対立について振り返ってみよう。 <HYBE vs ミン・ヒジンの対立にNewJeansメンバーも加わり......> 4月22日、NewJeansの所属事務所ADORの親会社であるHYBEが、ADOR経営陣が契約書など社外秘である内部資料を流出し、経営権奪取を図ったとしてADOR役員であるミン・ヒジン代表などに対する監査に着手した。これに対して、ミン・ヒジンは「HYBEの子会社であるBELIFT LABでデビューしたガールズグループILLITがあまりにもNewJeansと似ていることをHYBEパン・シヒョク議長に伝えたことで対立が起き、正式にコンセプトコピー疑惑をHYBEに提起したところ、突然自分を解任しようとしている」と反論。経営権奪取に対しては否認した。 これ以降、双方が非難の応酬を繰り返しながら、HYBEはミン・ヒジンを業務上背任の疑いで告発すると同時に臨時株主総会招集許可申請を裁判所に申し立て、ミン・ヒジン側もHYBEのパク·ジウォン代表らを業務妨害などで告訴するなど訴訟合戦へと発展。8月27日にHYBEはミン・ヒジンを代表取締役から解任し、「経営の一線から退いたが、社内理事職を維持したまま、NewJeansのプロデュースは引き続き続けてもらう」と発表した。 こうした対立構図にNewJeansのメンバーたちも加わる。9月11日NewJeansメンバーは「HYBEの経営陣交替と不当な待遇によりチームの個性とクリエーションが侵害されており不安を感じている」として「25日までにミン·ヒジン前代表と共に元に戻してほしい」と要求した。これに対してHYBEは「原則通りに落ち着いて対応していく」として事実上拒否。 10月15日にはキム・ジュヨン現ADOR代表(HYBE最高人事責任者兼務)とNewJeansのハニが韓国国会の国政監査に出席。ハニがHYBEの他レーベルのマネージャーからいじめにあった問題について聴取を受け、「キム・ジュヨン代表の発言についてどう思うか」という質問を受けた彼女は、「最善を尽くしていないようだ」と主張した。 11月13日、NewJeansのメンバー全員がADORに対して、現在の事態に対する是正要求をはじめとする内容証明を送り、「この書面を受け取った日から14日以内に、専属契約の重大な違反事項を全て是正せよ。受け入れなければ専属契約を解約する」と最後通告を投げかけた。だが、メンバーが一番強く求めていたミン・ヒジンの代表復帰に関しては、11月20日にミン・ヒジン自身が社内理事を辞任することを発表しADORを去ったため、もはや不可能となってしまった。 <NewJeansメンバーが内容証明で求めた要求とは?> NewJeansのメンバー全員が、契約解除という強硬な態度を示して所属事務所のADORに求めた内容とは何だったのか? その主な内容としては 1)ハニを「無視して」と発言したHYBE傘下レーベルのマネジャーの公式的な謝罪 2)同意なしに露出され使われた動画と写真などの資料削除 3)「アルバム押し出し(販売数を上積みさせるためレコード会社が卸売業者にCDを一定数を買い取らせる商法)」でNewJeansが受けた被害把握と解決策作り 4)ミュージックビデオ制作会社のイルカ誘拐団のシン・ウソク監督との紛争とこれによる既存作業物が消えた問題の解決 5)NewJeans独自の個性と作業物を守ること が挙げられているという。 このうち1~3についてはADORではなくHYBEとBELIFT LABの問題であるため(また両社は1と3については問題の事実を認めていないため)、メンバーが期待するような回答が得られる可能性はほぼない。4についても現ADOR経営陣はNewJeansの作業物を守るための措置だとして対応しないことが予想される。前向きな回答をするのは5だけになると思われるが、これとても具体的な内容は出されない可能性が高い。 また、メンバーは最後の、そして一番重要な要求項目として「ミン・ヒジン前代表の復帰」を掲げたが、前述の通り、ミン・ヒジンが既にADORを退社したことから、これについても叶えられることは不可能となっている。