婦人科検診では何を調べる?受診は何歳から?【「婦人科検診」のギモンに医師が回答!】
Q3)特に病気の症状がありません。健康でも受診したほうがいいのでしょうか?
A3. 性交渉が一度でもある方はぜひ受診しましょう。 大島先生:病気の自覚症状がない時期に、早期発見するために必要なのが検診です。婦人科検診では主に子宮頸がんの検査を行いますが、子宮頸がんは性交渉の経験がある方は誰でもなりうる病気で、初期には症状がありません。症状が出る頃にはすでに進行している状態で、治癒が難しくなります。子宮頸がん検診を受けることで、がんになる前の異形成から発見することができる可能性が高められます。早期発見・治療のために、性交渉が一度でもある方は婦人科検診の受診をお勧めします。ただし、子宮頸がん検診は性交渉がある方が対象となりますので、性交渉の経験がまったくない方は、子宮頸がん検診の受診は必要ありません。
Q4)受診は何歳から? タイミングや頻度の目安を教えてください!
A4. 一般的に20歳から1年に1回の受診が推奨されています。 大島先生:企業の健康診断の案内が来たタイミングで、婦人科検診も一緒に受診することが定期的な受診につながる目安だと思います。婦人科の病気は他の人には相談しづらく、比較もしにくいため、ご自身では気づかないことがあります。忙しい現代の女性にとって、楽しく健康に生きるためにも、定期的な健診は重要です!
Q5)婦人科検診は痛い? 受診前の注意事項はありますか?
A5. 基本的に痛みはありません。生理がきたら受診延期も検討を。 大島先生:基本的には、すべての検査で痛みは個人差があるものですが、子宮がん検診は力を抜いてリラックスして受診すれば、基本的に痛みは感じません。乳房のマンモグラフィ検査は、生理前のタイミングで実施すると、胸が張っているので痛みを感じやすいことがあります。 子宮頸がん検診は生理中でも受診可能ですが、精度が落ちる場合もあるため、避けるほうが◎。妊娠している、もしくは妊活中で妊娠の可能性がある場合は、採取器具を変更する必要がありますので、あらかじめ受診機関に相談しましょう。 「結婚や妊活の準備の一環として」「遺伝的に可能性の高い病気の早期発見のため」など、ご自身の目的に合ったクリニックやプランを選択していただけたらと思いますが、どのプランを選んだらよいのか迷われた際には、受診を検討中のクリニックに一度相談してみるとよいと思います! お話を伺ったのは...... 医学博士 大島 乃里子(おおしま のりこ)先生 ●クレアージュ東京 レディースドッククリニック 婦人科顧問。日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医、医学博士。婦人科腫瘍のほか女性医学の専門医でもあり、思春期から老年期までの女性の生涯におけるヘルスケアを担っている。 撮影・構成・取材・文/月島華子