吉田凜音、24歳。中国から日本に戻ってきたら「自分の居場所がない」10年間の道のりと葛藤
中国での1年間は、精神的に大きく成長させてくれた
中国語は、ありがとうを意味する「謝謝(シェイシェイ)」しか知らなかったという吉田さん。半年間にわたって行われるオーディション番組「黒怕女孩(GIRLS LIKE US)」に参加するため、2021年から日本を離れて中国で1年間過ごすことになる。 結果として、最終3組まで残る健闘を見せた。だが、「時間が経つにつれて、相当しんどくなってしまった」と吐露する。 「行ったことのない国に滞在して、新しい人たちと出会い、刺激的な毎日だったんですけど、やはり“言葉の壁”だけはどうしても乗り越えられませんでした。もちろん半年間は中国語を勉強して、ある程度は喋れるようになったんですけど、3、4人から成るグループのメンバーと楽曲を作るにあたって、うまくコミュニケーションが取れないのが、もどかしく感じていました」 通訳も帯同はしていたが、音楽の専門用語まではわからないため、楽曲の細かい部分までは吉田さんの意見が伝わらなかったそうだ。 “なんとかなるさ精神”で臨んだものの、言葉が通じない現実に直面したことで、「だいぶメンタルが鍛えられた」と語る。
中国での活動から戻ってきたら「自分の居場所がない」
1年間の中国滞在を経て日本へ帰国。いざアーティスト活動を再開しようと思った矢先、吉田さんが感じたのは「自分の居場所がない」ということだった。 「これは初めて話すことなんですが、急に1年間も日本を離れて中国へ行き、久しぶりに帰ってきたと思ったら、『あれ、みんなどこ行ったの?』みたいに環境が大きく変わっていました。 その頃は、コロナも落ち着いてきて、アーティストもライブ活動を再開し始めていたので、自分だけ取り残されているような感覚だったんですよ。そこで最初はどうしようと思ったんですけど、『音楽活動をリ・スタートさせる』のにちょうどいいタイミングだととらえ、日本での活動を再び始めました」 吉田さんは、中国で好きになったヒップホップを自身の音楽性に取り入れるため、ラップユニット「Charisma.com」のMCいつかさんをプロデューサーに迎え、新たな楽曲をリリースしてきた。