吉田凜音、24歳。中国から日本に戻ってきたら「自分の居場所がない」10年間の道のりと葛藤
「かっこいい女性でありたい」という思いが強かった
転機が訪れたのは、アクターズスタジオのオーディションライブに参加したときだった。レコード会社からスカウトされ、ソロアイドルとしてのデビューが決まったのだ。 中学校に進学してからは、アイドル活動と学校生活の両立が始まった。 毎週金曜日の午後に学校が終わると、そのまま新千歳空港に向かい、週末は東京でライブを行う。 そして月曜日の一番早い便で北海道に戻り、2、3時間目から学校の授業に遅れて参加していたとのこと。 このように精力的に活動していた一方で、「素の自分を貫き、意志を持って活動する」ことを意識していたと吉田さんは言う。 「正直アイドルにしか見えない年齢でしたが、本当はアーティストになりたかったんです。ただ、いきなりアーティストとして活動するのは厳しい。そう感じたので、まずはアイドルから頑張ってみようと思ったんです。 そのなかでも、アイドルに寄り添わずに『可愛さ』よりも『かっこよさ』を追求していました。アイドル自体は好きですが、自分を演じるアイドルは嫌だったんですよ。当時からずっとかっこいい女性でありたいと考えていました」
ラップの曲がネットでバズり、“現役女子高生アーティスト”としてブレイク
その後、高校1年生の時に発表した「りんねラップ」がSNSでバズり、一躍ラッパーとして話題を集めた。 「私自身、新しいことに挑戦するのが好きな性格で、ラップに関してはあまり知らなかったのですが、プロデューサーから『ラップやってみない?』と言われたので、じゃあ試しにやってみようと思ったんです。 そして『りんねラップ』のMV(ミュージックビデオ)をネットに上げたところ、ライムスターの宇多丸さんやSKY-HIさんなどに注目いただくなど、想像以上の反響がありました。それ以来、レコーディングするときも、ライブで『りんねラップ』を披露するときもすごく楽しくて舞い上がっていましたね」 高校時代から、アイドルという枠から飛び出し、バンドをやったりヒップホップの楽曲を出したりと、さまざまなことに挑戦するようになったという。 ABEMAの恋愛リアリティーショー「真冬のオオカミくんには騙されない」の出演や、ファッションモデルの久間田琳加さんと、映画「ヌヌ子の聖戦」 のW主演を飾るなど、活動の幅を広げていく。 「今まで無我夢中で歌手になるためだけに行動していたのが、気持ちに余裕が出てきたことで、女優のオーディションも受けられるようになりました。アイドル、ラップ、バンドなど本当にいろんな活動をして、ちょっと落ち着いてきたタイミングだったので、演技もしてみたいと思うようになったんです」