吉田凜音、24歳。中国から日本に戻ってきたら「自分の居場所がない」10年間の道のりと葛藤
「何事も中途半端になってしまう」という不安と向き合い…
そんな吉田さんの多岐にわたる活動を見て、世間の人からは「何をやりたいんだろう?」と思われることもあったとか。 あれもこれも手を出さないで、ひとつのことを極める。 そうしないと全て中途半端になってしまい、固定のファンがつかない。 こうした悩みを少なからず感じていた吉田さんだが、「幅広い活動をしているからこそ、それが自分の武器になる」と腹落ちしたことで、前に進むことができたそうだ。 「さまざまなジャンルの音楽をやりたいし、演技やモデルもしたい。一時期は、周囲から“ふわふわ”しているように見られるんじゃないかという悩みもあったんですけど、私がやりたいことをしまい込む理由はないなと気づいたというか。 高校から上京してきて、自分の可能性を広げるためにいろんな活動をしてきましたが、どれも全身全霊込めてやっているし、それが私の個性であり良さでもある。そう思えたのが18歳くらいでした」 一方で、吉田さんは「嫌なことは全部忘れてしまう性格」だと話す。仕事やプライベートでの辛いことや悲しいことは自然と脳内から消え、今も心に残っているのは「とにかく楽しかった」という充実感だけだという。
コロナ禍は今までの自分を見つめ直すいい機会に
それでも2020年のコロナ禍では、決まっていたライブツアーが中止になってしまうなど、大変な時期だったと話す。 「今まではほとんど休まずに、ひたすら前へ突き進んできた人生でしたが、コロナで何もできずに1~2ヶ月も自宅で過ごすのは初めてのことで。アーティスト活動が何もできず、焦りや不安も抱えていました。 こうした状況のなかで『今の自分に何ができるだろう』という風に自分と向き合う期間にしようと考えたんですね。そんなときに、マネージャーから中国のラッパーコンペティション番組のお話をいただいて。はじめは中国語も話せないし、受かるとは思ってなかったのですが、偶然にもオーディションに合格して、中国へ行くことになったんです」