これじゃあ暮らしていけない…夫婦の年金月30万円で〈余裕の老後〉が一転。夫の死後に知る〈遺族年金額〉に絶望も、遺品整理で見つけた古いアルバムに挟まれた「真新しい封筒」の中身に66歳妻、再び号泣【CFPが解説】
年金受給額に不安を感じていなかった前田夫婦
66歳の前田彰さん(仮名)は、同じく66歳の前田佳子さん(仮名)と2人暮らしです。戸建ての持ち家に住んでおり、住宅ローンは完済しています。夫婦には長男と次男の2人の息子がいます。2人とも結婚しており、現在は遠方に暮らしているため、年に数回程度しか会う機会はありません。 夫の彰さんは長年、食品メーカーの商品開発に携わっており、忙しい時期は日をまたいで帰宅することもありました。彰さんの趣味は健康維持の目的で始めたランニングです。定年後の現在も、週末には10kmのランニングを日課にしています。 一方の佳子さんは貿易会社の営業事務として定年まで勤務していました。趣味はヨガで、毎週近くのフィットネスクラブでヨガを楽しんでいます。 夫婦はともに老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給しており、2人合わせて年間360万円(月約30万円)の年金収入があります。 その内訳は以下のとおりです。 夫:老齢基礎年金……80万円、老齢厚生年金……105万円 妻:老齢基礎年金……80万円、老齢厚生年金……95万円 夫婦共働きだったため、年金は月30万円となり、夫婦2人で生活するには十分な金額です。 現在の資産額は預貯金で300万円。彰さんの生涯年収自体はそれほど多いものではありませんでしたが、毎月の年金受給額だけで十分生活ができるので、いまの預貯金でもとくに心配はないと感じています。
いつも通りランニングに出かけた夫に異変が…
そんなある日のこと。彰さんは早朝から「いまから軽く走ってくるね!」と言い残しランニングで出かけました。しかし、いつもは1時間もすれば帰ってくるのに、その日は2時間を過ぎても帰ってきません。 佳子さんは嫌な予感がしました。直後に、自宅に一本の電話がなります。病院からの電話で、彰さんが心臓発作で倒れたとのことです。急いで駆け付けた佳子さんでしたが、彰さんはすでに還らぬ人となっていました。佳子さんは悲しみと混乱が一気に襲い、佳子さんは人目をはばからず声を上げて泣き叫びました。 年金事務所で遺族年金の支給額を聞き、絶望する佳子さん その後、周りの援助もあり、無事に葬儀を済ませた佳子さん。彰さんを失った悲しみがまだ残っていますが、相続手続きなどの現実的な問題が待っており、悲しんでいる時間はありませんでした。息子たちは遠方に暮らしているため、数日しか実家に滞在できず、遺品整理などは佳子さんが少しずつ進めていくことになります。 それと並行して、遺族年金などの手続きも必要となります。佳子さんは早速、年金事務所に遺族年金について手続き方法などの確認にいきました。その際に遺族年金の給付額についても説明も受けたのですが、この内容に佳子さんは絶句します。 年金事務所で担当者に具体的な年金額を計算してもらったところ、佳子さんが今後受け取る年金額は、遺族年金と合わせて180万円(月15万円)であることが判明しました。これまで受け取ってきた年金の半分です。 佳子さんは「どうしてこんなに年金が下がるの⁉ これじゃあ暮らしていけない……」と驚きと不安で言葉を失いました。
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