《シニア女性のやりくりアンケート》医療費、住まいの修繕、少ない年金…「年金を早くもらうのは損?」「冠婚葬祭費がバカにならない」FPがその悩みに回答
◆節約下手さんのお悩み相談室 Q1 貯蓄と収入が少ないので、65歳で年金を受給したい。早くもらうのは損?(64歳・既婚・パート) 公的年金は原則65歳から受給でき、開始時期を遅らせると1ヵ月ごとに年金額が0.7%増加します。たとえば、65歳からの年金額が年100万円の場合、70歳まで遅らせると0.7×12×5=42%増えて、142万円に。年金額だけを見ると、70歳から開始したほうがかなりおトク。 ただ、注意点もあります。年金額が増えれば介護・国民健康保険料なども増えるため、手取り額は42%増にはならないケースも。専業主婦期間が長く年金額が少ない人は、受給を遅らせてもいいと思います。 繰り下げ受給を選ぶなら、それまでは働いて収入を確保する必要がありますので、自分の健康状態や生活状況を考えて検討しましょう Q2 お金を貯めたいけれど、夫が浪費家。注意しても聞く耳を持たない!(62歳・既婚・自営業) 人の考え方を変えるのは難しいので、夫に多くのお金を持たせないよう、あなたがコントロールするといいでしょう。具体的には、お小遣い制にする。現役のときとは違い、年金でやりくりしている現状をしっかり伝え、「あなたのお小遣いはX万円。自分が欲しいものはそれで買ってね」と言えばいい。 また、買い物に夫を連れて行かないのも節約のコツ。「金額を考えず、酒やつまみをポンポンとカゴに入れる」という妻の苦情をよく耳にします。酒類、嗜好品は夫の小遣いで。食費から出さないことです
Q3 冠婚葬祭費がバカにならない。わが家に余裕はないのに…(69歳・既婚・パート) 「父が亡くなったとき香典をいただいたから」など、義理を果たそうとするとキリがありません。昨今は葬儀を身内だけで済ますケースも増えていますから、たとえば葬儀に参列する場合だけ香典を包み、そうでなければ控える、など自分なりのルールを決めては? 高齢になるほど義理のつき合いは負担になります。相手の家族にどう思われるかを気にしても仕方ない。自分の懐を守るためにも割り切りは必要です Q4 自宅での生活が難しくなったとき、少ない年金でも入れる施設はありますか?(77歳・既婚・主婦) 高齢者向けの施設は、価格もサービスもピンからキリまで幅広くあるので、少ない年金でも入居は可能です。施設の種類や入居条件、金額の目安を知るためにも、元気なうちに地域包括支援センターに足を運ぶのがおすすめ。ここは介護や医療に関する相談窓口で、地域にある施設のパンフレットも揃っている情報の宝庫です。 将来のことを漠然と考えているだけでは、不安は増していくのみ。今後の生活が心配であれば、今できる準備を進めておきましょう 回答者数… 156人 (既婚84人、未婚25人、死別24人、離別21人、不明2人) 平均年齢… 62.7歳(年金受給あり 70.5歳、年金受給なし 52.7歳) 年金の種類(年金受給者のみ ※複数回答可) 厚生年金…66人、国民年金…45人、企業年金…20人、 年金基金…8人、その他(障害年金、労災年金など)
深田晶恵
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