【広島好き】優勝争いする広島打線の中軸担う「ゾノスエサク」は新たな広島打線の顔となれるか!?
25年ぶりにリーグ優勝した16年の広島には、打線の顔となるトリオが誕生した。前年まで若手の注目株とされたキクマルコンビに、同学年の田中広輔が加わり、「タナキクマル」と呼ばれるようになった。彼らが1番から3番を担い、高い出塁率と機動力を絡めた打撃で打線を活性化させた。現監督の新井貴浩や急成長を見せた鈴木誠也(現カブス)、ブラッド・エルドレッドなど多士済々。3連覇する18年まで松山竜平や会沢翼、石原慶幸(現バッテリーコーチ)、西川龍馬(オリックス)、安部友裕、野間峻祥…と球団史に残る戦力を擁していた。
投高打低もあるが、今季の広島打線を比べると、小粒感は否めない。2桁本塁打はまだ1人もいない。
広島の躍進はリーグトップの投手力を中心にした守備力にある。先発4本柱の安定感に、守護神栗林良吏までつなぐ中継ぎ陣も厚みが増した。限られた戦力でも、広島は110試合を消化した現在、セ・リーグの首位に立っている。
後半戦得点力が上がった打線をけん引するのは、小園海斗、末包、坂倉将吾の「ゾノスエサク」トリオだろう。末包が左太もも裏肉離れから復帰した6日巨人戦以降、チーム17試合のうち末包が欠場した2試合をのぞく15試合で同時起用されている。直近3試合で中軸を担うように、14試合で3選手が並ぶ打順になっている。
末包が離脱するまでのシーズン中盤も含め、同時起用された3選手が全員安打を記録した試合は12勝4敗。得点数もシーズンの1試合平均3.0から5.0点に跳ね上がる。
中軸が打てば、打線はつながる。その自覚は末包自身、シーズン中盤から自覚していた。
「中軸で何とか1本でも打てば、打線の巡りも良くなって、(つながりある)打線になってくると思う」
3人の中で末包は最年長ながら入団は最も遅い。同学年の「タナキクマル」がそうだったように、世代が近ければ互いを意識せざるを得ないし、頼り切るようなこともない。刺激し合うことで、成長が促進される。