なぜスピードスケート女子500mで2人の明暗が分かれたのか…不出場も検討の高木美帆が銀、連覇挑戦の小平奈緒は痛恨ミスで17位
その力強い一歩を五輪という4年に一度の大舞台で、スプリンターの潜在能力があると証明してみせた銀メダルに高木は再び声を弾ませている。 「最後まで挑戦してよかった、と思っています。まだ種目は残っていますが、こういう喜びは頑張ってきた自分にとってすごくいいことというか、プラスになることなのでしっかりと受け止めて、また気持ちを切り替えて次に向かっていきたい」 金メダルへの本命種目として臨みながら2位にとどまり、悔しさをにじませた7日の1500mとは対照的な笑顔の先には、ベスト4進出を決めている団体パシュートが待つ。 15日に一挙に行われるROCとの準決勝、そしてオランダとカナダの勝者と対峙する決勝を制すれば五輪連覇に加えて、個人として通算6個目のメダルを獲得する。夏季五輪を含めた日本女子選手のなかで柔道の谷亮子、シンクロナイズドスイミングの立花美哉と武田美保を抜いて、歴代最多に自身の名を刻む快挙が達成される。 しかも、高木は今大会でさらにメダルの数を伸ばす可能性がある。 17日に待つ最後の5種目目、女子1000mは高木の今大会通算7レース目にして、小平が捲土重来を期す戦いになる。平昌五輪で銀メダルを獲得した種目へ、小平は3日間で心技体を整え、万全な状態で臨みたいと前をみすえた。 「この舞台、この空間を自分の色に色づけられるようにしっかりと立て直して、最後の1000mにすべてを注ぎたい」 オールラウンダーを目指していく高木と、短距離のスペシャリストにこだわってきた小平。ソチ五輪でメダルがゼロに終わった日本の女子スピードスケート界をけん引し、平昌五輪と今大会だけで8個のメダルをもたらす原動力になった8歳違いの2人が、お互いが歩んできた道へリスペクトの思いを捧げ合いながら再び火花を散らす。