子どもの「乗り物酔い」どうしたら防げる? 遠足・旅行前に知っておきたい仕組みと9つの対策【医師に聞く】
――乗り物酔いをしにくい朝食メニューはありますか? 乗車直前の食事は避け、乗車30分以上前までに、トーストやヨーグルト、おにぎり、果物など、軽めで消化の良いメニューを適度にとるのがおすすめです。そして、できるだけ普段から食べ慣れているメニューを食べること。食べ慣れないものや脂っこいもの、満腹になるほどの量を食べるのはNG。自律神経のバランスを崩す原因になるので避けましょう。 ――子どもが乗り物酔いをしたときは、どのように対応すればいいでしょうか。 車やバスの場合は、窓を開けて新鮮な空気を吸うようにします。ベルトや襟元の締め付けも酔いを助長するため、緩めましょう。気分が悪いときに、うずくまったり頭を下に向けたりすると逆効果になることもあるため、座席にしっかり寄りかかり、進行方向に視線を向けてゆったりと過ごすようにしましょう。 吐き気が治まらないときは、思い切って吐いてすっきりさせると、吐き気が緩和することも。酔ってからでも効く乗り物酔いの薬があれば、薬の服用も有効です。保護者が同伴できない学校行事では、これらの対処法をあらかじめ子どもに伝えておくといいですね。 ■バスの座席、どこに座れば酔いにくい? ――バスの座席はどこがおすすめですか? 酔わないためのポイントは目からの視覚情報と耳からの聴覚情報にズレが生じないようにすること。そのため、座席の選び方が重要です。 ドライバーから離れた座席ほど視覚情報のズレが生じやすいため、バスなら前方がよく見える最前列の席はおすすめです。乗り物の動きを予測しやすいため、酔いにくくなります。マイカーなら、景色が正面に見える前の席がよいでしょう。 乗り物の振動の伝わり方の少ない座席も酔いにくくなります。バスであれば、タイヤの真上の座席は振動が直接伝わるので避け、前輪と後輪の間の座席に座るのも手です。 家族での旅行では、「今日は大丈夫」と大人が子どもに“暗示”をかけてあげるのもいいでしょう。車中では、みんなで歌ったり、クイズ大会をしたり、音楽を聞いたり。楽しく過ごしているうちに、乗り物酔いのことも忘れて、あっという間に目的地に着いてしまうかもしれません。