和田秀樹 メンタルに不調を感じたら心療内科や精神科を受診すべき?それとも一般内科?「見極めるにはスキルが必要なのでオススメは…」
WHO(世界保健機関)の推定では、うつ病患者は人口の約3%いるとされており、心を病む人の人数は年々増加の一途をたどっています。精神科医・心療内科医の数は増え、メンタルクリニックも増えているのに、メンタルを病む人がなかなか良くならない「本当の理由」とは何なのでしょうか?よりよい医療を受けるためのヒントを、精神科医 和田秀樹氏著書『「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由』から一部を抜粋して紹介します。 【書影】職場環境は変わっているはずなのに、メンタル不調の人はなぜ増加しているのか?精神科医 和田秀樹氏著『「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由』 * * * * * * * ◆上手に精神医療にかかるために 日本の精神医療が崩壊寸前、もしくはすでに崩壊状態にあることは、おわかりいただけたと思います。 そんな状況の中で、読者のみなさんが一番知りたいのは、自分、または自分の周りの人、がメンタルの不調を覚えたとき、「いったい、どうすればいいの?」「どこの医療機関を受診すれば安心なの?」「どんなお医者さんが、いいお医者さんなの?」といったことでしょう。 日本では、メンタルヘルスのことが一般の人たちの間で気軽に語られるようになったのは、わりと最近のことです。 長い間、心の病についてはアンタッチャブルのように扱われてきた歴史があります。そのため、メンタルに支障が生じたときの対応について、正しい知識と理解があまり得られていません。 それをサポートするしくみについても知らない人が多いでしょう。 そこで、私のところに寄せられた患者さんの声をもとに、Q&A形式で精神医療の上手なかかり方をまとめてみました。 脆弱で危うい今の日本の精神医療ですが、少しでもまともな精神医療にかかることができれば、メンタルの不調を改善できます。
◆Q:メンタルに不調を感じたとき、 最初から心療内科や精神科を受診すべきでしょうか?まずは一般内科へ行ってみても大丈夫でしょうか? 精神科や心療内科ではない医者が、うつ病やうつの診断を正しく行ったのは、ほぼ1割だったという報告が出ています。 メンタルの不調を見極めるには、精神科や心療内科ならではのスキルが必要なため、できれば最初から精神科、または心療内科を受診することが望まれます。 お住まいの地域に総合診療を標榜している医療機関があれば、そこを受診するのもよい方法です。総合診療の専門医であれば、心の病にもある程度対応できると思います。 ただし、その場合も、総合診療はあくまで窓口であって、本格的な診療は精神科・心療内科で受けることになります。
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